見つかった - 2002年03月23日(土) 髪をやっと切りに行った。 予約の時間よりずいぶん早く着いて、時間潰しに久しぶりの街を歩く。 大好きなお店をのぞいたら、あったあった。 Paul & Emilie の、アリシア・キーズみたいなひらひらのシャツ。 いっぱいあった。 どれもかわいい。どれもわたしに似合いそう。嬉しくなって、買いもしないのにいろいろ手に取る。パンツやスカートまで合わせて選んで、鏡の前に立つ。今年の春・夏は「ロマンティック&フェミニン」らしい。わたしにぴったり。なんて。でもやっぱり買えない。節約。 美容師のフランクに、今日はいろいろ注文した。「はいはい」って言いながら、「でもここはこうだからこういうふうにしてみるね」とか教えてくれながら、相変わらず予想以上の髪にしてくれる。いい気分で車のオイル交換に行ったら、エアフィルターとトランスミッションオイルも換えなくちゃいけないって言う。 「ほんとに換えなくちゃいけないの?」って聞くと、「ほんとに換えなくちゃいけない」って言う。エアフィルター見せてもらったら確かに汚れてたけど、ほんとに換えなくちゃいけない程度なのかどうか、わたしにはわかんない。「女だからと思って騙そうとしてない?」って聞いたら、当然だけど「そんなことするもんか」って言う。 前の街じゃあ絶対なかったのに、ここじゃそういうのがよくある。よくわかってないのがほんとはいけないんだけど、ここに来たときから、特に車のメインテナンスには「気をつけなさい」ってみんなに言われて来た。「女だから」って足元見るらしい。そういうとこが、この街嫌いだ。 毎日高速がんがん飛ばしてるから換えといた方が無難なのかなって、結局言われた通りにしたけど、こういうときつくづく思う。もっとかしこくならなくちゃ、ひとりで上手に生きてけない。 ワイパーが壊れてることも指摘されて、「ああ、そうだった」って思い出す。それは前から直さなきゃって思ってたけど、「いつも行くオートパーツやさんで買うから、いい」って言った。そしたら半額にしてくれて、おまけにすぐにつけ直してくれた。これだけはちょっとラッキーって思った。でも要するに、それだけいいかげんってこと。 友だちが誕生日にくれた GAP のギフトカード、使おうかなって思った。 GAP body で下着を買った。コットンの総レース編みのブラとパンティ。コットンの総レース編みって、去年の夏によくドレスを見かけた。ピチピチに体にフィットして、ノーブラで歩く黒人の人がかっこいいって思ってた。「ロマンティック&フェミニン」だから、今年はそういうののキャミソールとかもいっぱいお店で見る。買ったラズベリー色のブラも、それだけで歩けそう。しないけどさ、そんなこと。 ついでにアン・テイラーでドレスを見る。でもやっぱり買わない。節約。 ボニーの結婚式には、グレーのロングのシルクのキャミソールドレスに真珠のネックレスを短く3連にして付けて、白いショートのレースの手袋と白い華奢なサンダルに決めた。新しいもの買わなくて済む。 帰りの車の中で思い当たる場所があって、うちに帰ってすぐチケットを探す。 旅行代理店の名前と車の保険やさんの名前がそっくりで、FedEx の封筒から落ちたヤツをもしかしたら保険の請求書の封筒と間違えて、請求書入れのラックに入れたかもしれないって思った。 大正解。 あった。 それだった。 ひとりで大騒ぎした自分がものすごく恥ずかしい。 ドリーン以外に誰にも言ってなくてよかった。 おまけに封筒は茶色じゃなくて白だった。 あの人から月曜の夜まで電話はない。電話代を払えなくなりそうだから、こっちからはかけられない。相変わらず忙しいあの人を、もう電話で追いかけ回して困らせなくて済むから、ちょうどいい。そういうことにしよう。 明日は大掃除しよう。 泣かない。泣かない。淋しがらない。 あの人の写真のファイルを開けて、顔を見る。 この写真も、もうすぐ一年前のになるよ。 -
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