天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

夏の風 - 2002年04月18日(木)

暑かった。
気温は96°F まで上がることになってたらしい。
実際に何度だったのかわかんないけど、
96°F って、摂氏で言えば 36°C だ。

いきなり夏服着るのを躊躇して、薄い七分袖のシャツ着てったけど
ドリーンはサマードレスを着て来てた。
街を歩く人たちはタンクとショーツなんて格好だった。

もわっとする熱気が去年の夏まで気持ち悪かったのに、
なんだかそれが心地よかった。

高速の周りの景色が変わる。
枝だけだった木が突然緑いっぱいになってる。
先週時間を1時間進めたから、
帰り道はまだうんと明るい。

うちに帰って、冬の間窓に貼ってた防寒の透明シールをばりばり剥がした。

今日も暑い。
今日の気温は何度あるんだろう。
駐車場の桜の木も突然緑色に覆われてる。
ほんとにマジックみたいに突然だ。
白い花は緑に紛れてもう見えない。
ふさふさ揺れる葉っぱのすき間から、
白い小さな破片が風にこぼれて散る。

まさかこの気温のまま夏になってしまったりしないとは思うけど、
ここは季節がいつもこんなふうに突然変わる。
それも好きじゃなかったのに、
こういうのもおもしろくていいじゃん、なんて今思ってる。

大変なのはチビたちだ。
窓辺で生暖かい風を受けながら、もうぐったりしてる。


日本もこんなに暑いんだろうか。
そんなことないかな。
でも風が似てるような気がする。
昔むかし、最初の結婚から逃げてひとりでアパートに暮らし始めたとき、
窓からこんな風が入って来てた。
あれはどの季節だったんだっけ。
春の終わり? 夏の初め? 夏の真ん中?
アパートに、2番目の夫がモネを持って尋ねて来てくれるようになった。
モネって今でもあるのかな。
ライムのソーダだっけ? レモンのソーダだっけ?


さっき、このアパートのリースの更新手続きの手紙が届いた。
今度は「更新しません」のところにマルをつける。
もう少しでここを出て行く。
あの人を待ち続けて待ち続けて2年が過ぎる頃。

あの人に見て欲しかった。
この大きな窓も、頑張っておしゃれにレイアウトしたお部屋も。
このキッチンで一緒にお料理したかった。
このテーブルで一緒にコーヒー飲みたかった。
この大きな窓の窓辺に立って、一緒にたばこを吸いながらおしゃべりしたかった。

何も思い出残せなかったこのアパートに
待ち続けた痛みだけが残って、
生暖かい風はそれをかき消せない。

そして、このどうしようもないやるせなさを、あの人は知らない。
それが一番悲しい。

今日はお休み。
シャワーを浴びて、夏のドレス着て出掛けてみよう。
少しだけなつかしくて、暖かくて優しいこの風に、もっと吹かれてみよう。


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