風が止まる夜 - 2002年07月03日(水) 湿気を含んだ重たい空気が部屋中に立ちこめて チビたちは机の上にぐったりと体を伸ばす。 わたしは膝を抱えてじっと動かずに不快な熱気を体内に浸透させる。 不快さが気持ちいい。 もっともっとじめじめと重たい熱い空気を吸収してベタベタ気持ち悪くなりたい。 気持ち悪さが気持ちいい。 ネチネチした水分が体じゅうの毛穴からじりじり絞り出されて 不快で不快でそれがたまらなくなる。 重たくなった体がたまらなくなる。 風が止まる夜。 あの人は昨日徹夜で新しい仕事の準備をして風邪を悪化させた。 今日も徹夜だと酷い声を出して言う。 そしてわたしの名前を呼ぶ。 苦しそうにわたしの名前を呼ぶ。 名前を呼ぶ。 何度も呼ぶ。 頭に血が上ってくらくらする。 目眩がする。 重たい。重たい。重たい。 熱く湿った空気が体に重たい。 あの人への想いで体が重たい。 重たくてわたしは動けない。 風が止まるから動けない。 愛しくて愛しくてわたしはもう動けない。 -
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