天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

引っ越し完了 - 2002年08月01日(木)

疲れた。
コーヒーが飲みたくて飲みたくて、積み上げた段ボール箱の中から気が狂ったみたいにコーヒーメーカーを探す。やっと見つけて、前にちゃんとこのアパートの冷蔵庫に確保して置いたコーヒー豆を取り出してから、コーヒーフィルターがないことに気づく。どこにあるかなんてわかんない。コーヒー豆と一緒に持って来とくんだった。とても探す元気なんかなくて、近くのグローサリーストアに買いに行った。

ああ、本当にわたしったら、ああいうごちゃごちゃ食品を積み上げたちっともおしゃれじゃないグローサリーストアが好きだ。ジャムの瓶やら缶詰のあいだに隠れてたコーヒーフィルターを見つけてから、なんかおもしろいものがないかウキウキ物色する。急におなかが空いてきて、デリのところでおじさんに、ハム&エッグを焼いてもらってスイスチーズと一緒にカイザーバンに挟んでもらった。

コーヒーが沸くのが待ち遠しかった。ゆうべ大家さんのフランクが組み立ててくれたダイニングテーブルで、段ボール箱に囲まれながらサンドイッチを食べた。コーヒーがのどを通るたび、天にも昇りそうだった。

月曜日の晩にカダーとダイナーでごはんを食べてから、なんにも食べてなかった。冷蔵庫のウェルチのグレープジュースの大瓶を空っぽにしなきゃって、そればっかりひたすら飲んでた。くたびれすぎて、食欲がまるでなかった。


昨日はほんとに長い長い、死にそうな一日だった。気温は100°F近くあったらしくて、暑いのも死にそうだったけど、お掃除が死にそうだった。ここじゃあ綺麗にお掃除してからアパートを出て行く人なんかいない。それでもちゃんとセキュリティ・ディポージットは100%返って来る。カダーも「掃除なんかしなくていいよ」って言ったけど、わたしは引っ越すときはいつも、ちゃんともとの状態に戻してから引っ越したい。入ったときのアパートをもう一度見て、バイバイを言いたい。このアパートはとりわけそうだった。ここにあの人がわたしに会いに来てくれるんだ。それを心待ちにしてチビたちと暮らし始めた、あの日と同じ空っぽの綺麗なアパートをもう一度見たかった。

カーペットに絡んだチビたちの毛を丁寧にバキュームで吸い取って、キッチンとバスルームもピカピカに磨いた。前の晩寝るのに床の上に敷いたマットレスパッドとシーツを洗濯して、ランドリールームに取りに行くときカダーに会った。「ねえ、アパート綺麗にしてるの。見て」。そう言って見に来てもらう。3時から10時まで仕事だったから「今日はもう会えないよ」ってカダーは言った。ベタベタで汗臭いわたしを抱き締めて「See you」って言う。「See me when?」って聞いたら、「わかんない。電話してよ」って汚いわたしのおでこにキスしてくれた。

マネージャーに鍵を返して書類に新しい住所を書いてサインして、サンキューとバイを言う。誰も買っても貰ってもくれなかったコーヒーテーブルとアームチェアは、マネージャーがオフィスに引き取ってくれた。お気に入りだったコーヒーテーブルをあのアパートのビルのオフィスに置いてもらえるなら、知らない人のとこに行くより嬉しいと思った。

アパートにバイバイする。不思議なくらい、悲しくなかった。

最後の荷物とチビたちを入れたケイジを車に積んで、新しいアパートに向かって出発する。ルームミラーを覗いたら、ゆでだこが映ってた。こんな顔のおでこにカダーはキスしてくれたのかって思ったら可笑しかった。

大家さんのフランクが手伝ってくれて、寝られるようにベッドを作る。それだけでいいと思ってたのに、大きな家具を配置するのを手伝ってくれる。くたびれてくたびれて、自分でも匂ってくるほど汗まみれだったのにシャワーも浴びずに、知らないうちに眠ってしまった。目が覚めたらまだ4時半だった。あんなに疲れてたのに目が冴えて、昨日配置したばかりのベッドルームの家具を、もう気が変わって模様替えした。

シャワーを浴びて、外に出る。たばこを吸ったらめまいがした。ドライブウェイに、バジルとアップルミントが植わってるのを見つけた。一枚ずつ葉っぱを千切って食べる。わたし、今日からここの住人になるんだ。なんとなく頭の中で言ってみた。そしたら、コーヒーが飲みたくて飲みたくてしかたなくなった。


昨日の朝あの人が電話をくれて、「今日はゆっくり話せないから、明日の朝絶対電話して」って言った。「明日の朝」は、わたしの昨日の夜のこと。「ダメだよ。今月いっぱいでおしまいって言ったでしょ?」「まだきみは31日じゃん」「ダメ。夜にはもう新しいアパートにいるんだから」「お願いだから、電話して」。

わたしはかけなかった。

新しい電話番号はあの人に教えてない。
でも、前の番号にかけたら新しい番号がテープで流れる。それを聞いてかけてくれるかもしれない。
そんなこと、ちょっと思ってる。

平気平気、全然平気。あの人のことなんか考えない。
そんなこと、一生懸命思ってる。


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