鍋をたたく...鍋男

 

 

すばらしきかな、技術大国日本 - 2001年05月10日(木)

 うちは狭い。台所のスペースもできるだけ有効に利用したい。そこで、出しては片づけるというのを徹底しています。ここ二年ぐらいはオーブントースターまでしまうようになりました。トーストを焼くときだけ出してきて、コンセントをつないで。ご飯を食べ終わる頃には冷めているので、また戸棚の中にしまってしまうようにしています。

 どうも一人で仕事していると、パソコンを入力しながらパスタをゆでたり、ご飯を食べながら書類に目を通したり、仕事と生活の切り離しがうまくいきません。

 こないだ、二、三日前のこと。台所で楽譜を見直しながら、あつあつのサンドイッチをほおばったりしていました。食べ終わって、まだほんのり暖かいオーブントースターを戸棚の中にしまいました。まな板を洗ったりしていると、どこかから「ピピピピ. . . .」というかぼそい音がします。
 ケイタイの音なんですが、やけに音が小さい。あっちこっち探してみたら、ありました、オーブントースターの下にへばりついて。ケイタイの裏面に付けていたマジックテープが溶けてしまって、それによってトースターの底面に貼り付いている模様。液晶が変色して弱々しく「ジュウデンシテクダサイ」と表示しています。あーらら、つぶしたかなぁ、とトースターからひっぺはがしてみましょう。

 アンテナ部分は周りが溶けてべろんと拡がっており、アンテナがのびない。一旦溶けて、くっついてしまっている。下の方のバッテリーの所は比較的ましで、ほとんど変形はないけれど、スピーカー、memoボタンなどが付いている上の方は激しくひび割れが入り、所々妙な膨らみができている。その表面処理の見事な不気味さは、キカイダーの悪者を思い出させるものがあります。

 電池は温度が下がればちゃんと動くかも知れないけれど、液晶とか、中の電子部品はダメかぁとは思いつつ、まずはちょっと冷やすかな。

 常温に冷めた頃に見てみて驚いた。液晶がもとの表示に戻っている。バッテリーの表示は満タンを指している。試しに自分のNTTの電話回線にかけてみる。まったく問題がない。驚いた。
 裏面のmemoボタンは、回線がつながっている間、蛍のように光るようになっているのだが、こいつもちゃんと動いている。
 大したもんだぞ日本。こんな実験をしてから世に出した商品ではないだろうとは思う。しかし、これだけえげつない見た目になっても、まだ動いているケイタイを見ていると、この中の一つ一つの部品全てが、優秀なものであるからこそ、このケイタイという一つの商品が動いているんだなと思わずにはいられない。

 どーせ、そろそろ縁を切ろうと思っていたケイタイだったので、あまりショックではなかったけれど、動くとなれば、手放すのは少し惜しくもあります。ただ、見た目のグロテスクさはなかなかのもので、あまり自慢できるものではありません。
 技術をほめてはみたものの、やはりこのケイタイはそろそろ手放そうかと思っています。


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