鍋をたたく...鍋男

 

 

Moods on JapieTV - 2001年05月22日(火)

 5.20。私たちが武庫川の河川敷であつくはじけていた頃、15分ほどの番組が、関西ローカルのTV局で放送された。トリニダードのスティールバンドが練習をかさね、コンテストに出るまでを描いた物。その中には、パンを叩いていない人がパンに関して、どのように感じているのか、Pan Man達がどういう気持ちでコンテストや、パンそのものをとらえているのか、バンドリーダーの現実など、トリニダードの実際が忠実に描かれていて、見ていて非常に気持ちいい物だった。

 私がトリニダードでお世話になったのは、Curepe(キュレップ)という街のMoods(ムーズ)というバンド。僕の師匠はそのバンドのリーダーであり、チューナーであるリロイ・トーマスという人だ。彼は非常にまじめな人で、とてもよく働く。バンドのこと、家族のこと、トリニダードの事、そしてパンの事。全てにたいして、気を使い、よく考えている。見ているととても感心させられる。
 ただ全てがうまく廻ることはやはりまれで、どこかに歪みが出てきてしまう。たいていの場合は、時間やお金が問題になる。あまりつきあいのない人は、お金や時間にルーズな人間と見てしまうだろう。彼はストイックなまでにパンを大事にしているだけなのだが。
 彼を見ていると痛々しくさえある。私は人間的にも彼のことを尊敬している。

 この「われら地球人」という番組の放送を、私はまったく知らなかった。On Airの次の日、生徒さんがVTRを持ってきてくれたのだ。15分番組の後半しか取れてないが、Moodsやリロイの顔が日本のTVでながれているのはとても嬉しく、不思議な感覚だ。なんだか恥ずかしいようでもある。自分の身内が紹介されているような気になるのだ。

 そう、この放送は僕がお世話になったMoodsを取材した物だった。トリニダードにはもっと有名なスティールバンド、大きなバンドはたくさんある。Moodsが表の方に出るのは希である。
 Moodsのメンバーは幾度かヨーロッパに公演旅行に出ている。彼の人柄は一度知り合いになった人を離さない。この番組がヨーロッパのTVクルーによって製作されていることを考えると、Moodsが選ばれたのもまったく不思議はない。

 もちろん、人柄だけでMoodsが選ばれたとは思わない。小さなバンドだが、このバンドの音は私的には絶品である。いいバンドだと心底思う。音楽には好き嫌いはつきものなので、押しつけるのは好きではないが。1993、1997、1998のMoodsは特にメンバーがよかった。
 ちなみにこの取材(1998年の"Pan is Beautiful" というコンテストに出場)は予選で終わっているが、Moodsはこの年、決勝まで行き、6位入賞。この年の決勝が世界大会の予選になっており、他の有名ビッグバンドをしり目に、2年後の2000年記念世界大会への出場権利を獲得している。
 (もう一つちなみに、鍋男は2000年の世界大会にMoodsのメンバーとして、このコンテストに出場している。)

 放送に関しては今回先を越されてしまったけれど、いつかできることなら、日本に彼の音を紹介したいと思っている。


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