JERRY BEANS!!

2001年08月29日(水) ひとひとり

誰かを助けたいとか、幸せにしたいとか、
人か本当に簡単に、そう思うけれど、
そんな事、簡単に出来たら誰も苦労しなくて、
きっと泣く事も無いんだろうと思う。

誰かの役に立てるなんて、
誰かの助けになろうだなんて、
要するにそれは本人の自己満足であって、

そういう人に限って、してやった、やってやったと
押し付けがましい、なんて事も、少なくない。
それは偽善で、贋物だ。

だけど、私は、ただ頭を撫でてくれたり、顔を撫でてくれる
その人の手の暖かさは、本物だと思う。
辛いと思うときに、腕を擦ったり、背中を擦ったり、してくれる。
苦しい時に、なだめるように頭を撫でてくれる。
寝ている間に、手を握っていてくれる。死ぬほどの吐き気で
目が覚めても、手がそこにあって、暖かいと、ああ、私は
生きている、と思う事が出来るからだ。

そういう事を、私の体は覚えていて、眠っていても、
意識が無くても、何となく暖かいことだけは覚えていて、
それが愛だなんて思えるなら、私はそれで幸せだと、思う。

あのひとが何気なく出来る事には、私にはこんなに有効で、
効き目があるから、あわよくば、私にも同じくらいの事が
彼に出来るといいな、と思う。

だけどきっと、誰かに感謝されたり有り難いな、と本気で
思われることというのは、そこに私の意志が無くって、
気付けばそうなっている状態の時に、その人が思う事であって、
私が意識して出来る行動のどれだけが彼を助けてあげられるのか
なんて、きっと考えもつかないくらいの、至極少ない物なんだろう
と、何となく思う。

ひとはひとりでは、こんなにちっぽけだ。だけど、その人の
意識しないで出来る事には、こんなに小さな魔法がかかっていて、
気付かぬうちに、少しだけ相手を幸せにする。

そういう事を繰り返して、続けることで、人は幸せに
なって行くのかも知れない。


 < 過去  INDEX  未来 >


nana [HOMEPAGE]

My追加