私は人が好きだ。結構簡単に好きになる。
私は、一生懸命な人が好きだ。
私の好きな人たちは、皆、自分を知ろうと、自分なりに努力を重ね、 誰も皆、地道な努力家だ。
進む方向は、どんな方向でもいい。西でも東でも、好きに行く。
先ばかりを見て、目標を定めてからでないと歩き出せない人たちは、 皆、自分の足元の石ころさえも、ぬかるんだ道さえも舗装する事を せずに、遥か先ばかりを見据えては、転び、進まぬ歩と、 自分を恨み、後悔しては途方にくれる。
私の好きな人たちは、歩きたい方向に、自分の足で歩けるだけの 幅を、少しずつ、地道に舗装しながら歩いて行く。レンガや石を 運んでは、敷き詰める作業。それは地味で過酷であるけれど、 いつか辿るべき方向へ、確実に近づいて行く。
もし途中で、目指す方向が違う事に気付いても、舗装した道を 戻るのは簡単だ。…それたと思う所まで、歩いて戻って、 そこからまた別な道を創って歩いて行けば良い。
いつかまた通るかも知れない道だから、作った努力は必ず報われる。 そこに無駄や後悔は無い。
道を舗装しない人たち。ただ闇雲にぬかるんだ土地を彷徨う人は、 きっと、永遠に目的地にはたどり着けない。 そのうち、自分の足が、ひざまで沈んで、草に迷い、土に捕われ、 先へ進むことも、後に戻る事も出来ずに、迷い苦しむのだろうか。
人生に近道は無い。それが唯一の真実だと、私は思う。
|