JERRY BEANS!!

2004年11月29日(月) dialling

少し前に。夜遅く、貴方に電話をしたことがあった。
その時はまだお付き合いも何もしていなくて、
多分貴方も私をただの人間としてしか思わなかったと思うけれど。

人生は上手く行かない。
好きな人は手に入らないし、その心に触れることも出来ず。
優しくされても冷たくされても、胸を揺さぶられて、
どうしても、届かない。

家にはどうしようもない人がひとり。
自分のせいで壊れた人がひとり。
見てるだけで憂鬱になる。励ましても言葉は届かない。

どこかで何かを間違えたのかと思う。
でも、過去を追っても、届かない。
亡くした人を想うことも、止める事はできず。
痛みが止む事も、やはり無くて。胸が疼く。その声を。

そんな行き詰まりを考えていたら、突然、現実感が消えた。

「怖い」「悲しい」「悲しい」「悲しい」

時々こうして、ストンと穴に落ちる。この手が、脳が、悲しくて、
此処に居る事が悲しくて、この躰が悲しくて、消えてしまいたくなる。

この気持ちを抱えているのが辛くて、誰かに電話をかけようと思って。
携帯電話のアドレスを見回したけれど「…多分誰も解ってくれない。」
そんな事に気付いて、更に穴を落ちる途中で、貴方の事を思い出した。

貴方ならきっと、同情もせず、頑張れとも言わずに話してくれるかと。
聞いてくれるかと思ったのか。

長い間、知っては居たけど、使う機会すらなかった番号。
ほんの少しの躊躇いのあと、私は発信のボタンを押す。
…呼び出し音のひとつひとつが、やけに長く感じた。


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nana [HOMEPAGE]

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