…貴方の街に、雪が降った。
空が。降らせている。雪。
貴方の…肌に乗って溶ける雪と、 私の…睫毛に積もる雪。髪に積もる雪。 どちらも、同じ空から降っているのに。
貴方が教えてくれるのは。 あまりにも綺麗な景色。
私は、貴方を通してしかその景色を想像しないけれど。
私は。立ち昇る煙の行方ばかり見ていました。 さんざんと、雪が落ちてくる中で、ただただ、昇る煙を。 消えて行く形を、顔を雪で濡らしながら見ていました。 頬がとても冷たかった。
多分、同じなようで、同じでないような。 …同じ空の下で、私達はそれぞれの雪の日を迎えるでしょう。 貴方の。私の。大切な一日。
願いは、雪になって街に積もる。…街に溶ける。
貴方が生まれた街。貴方が育った街。貴方の知らない街。 何処にでも。想いは形を溶かして。胸に積もる。私の街。
…貴方の街に。…貴方しか知らない、温かい雪が降って。 その願いが、街に溶ける。貴方だけの、私だけの。
小さな、小さな街。
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