貴方が私を抱いてくれて、心も体も、気持ちが良かった。 そういう時だけ、役に立てる自分が好きだと思う。
単純明解な。私という道具に対して。
何度か私を抱いた後、貴方が 気持ちが良い時の私の目は、とても細くて、白目がちで怖いと言った。
面白いと思った。
そんな事を言われたのは初めてだった。 気持ちが良い時は、少し朦朧としていて、焦点がなかなか合わない。 白くなりがちな意識の中で、貴方を見ようと、閉じた瞼を少し開ける。
その目が怖いのだと。
…意識は薄れているから、貴方が見ているのは、多分、私だけど、 完全に私じゃない。…きっと、その目に呪われる、と私が言ったら、 貴方は笑った。
私は、貴方が、こっちを見て笑う顔が好き。 その原因が私なら、もっと素敵。
呪いが本当にかかるのなら、それでも良いから 貴方を縛り付けておけたら良いと、うっすらと思った。
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