JERRY BEANS!!

2004年12月12日(日) 特別

幼いころからずっと、誰かの特別になりたかった。

誰かに優しくされると嬉しいけど、それが「誰にでも」だって、
気付いた瞬間にいつも哀しくなった。

誰かが優しく気遣ってくれて、簡単にかん違いをして
あとでよく一人で落ち込んでみたり。

誰かを独り占めしたいという欲よりも、ずっと、
誰かに自分を独り占めされたいと思った。
心を占められるのも、そうだけど、やはり、
ずっと、特別になりたかった。
特別に扱われたいと思っていた。ただ、ひとりとして。

笑顔も、掌も、想う気持ちも、側にいるのも、
何でもいいから、何もかもを、ただ、ひとつの特別になりたくて
ずっと。

だけど現実に、何をするにも私だけが特別に出来る事など何ひとつ無く、
何をするにも、何もかも、他の人と変わらない。全く。
…息をするのも、右手を動かすのも、ため息をつくのも。

それでも、…「それ」が「私」でなければいけない理由を、
私はずっと探していて、ただ、普通に、生きている事の全てが、
誰かにとって特別でありたいと、ずっと、思っていた。


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