*『菟田野町史』(菟田野町史編集委員会編,菟田野町役場,1968)「民俗」より抜粋*
人の一生
妊娠から出産へ
妊婦の食物と禁忌
妊娠中には妊婦のしてはならぬこと、食べてはならぬものが多かった。食物では、四ツ足のウサギを食べると三ツ口やス口の子ができる
(姫だるま注:ともに、古めかしい侮蔑的な言葉で、口唇口蓋裂〜こうしんこうがいれつ〜が適切な名称。また、口唇口蓋裂は先天性の障害であり、ただ単に、口輪筋および口蓋の組織が合わさらなかった、もしくは妊娠中にある組織が融合しなかっただけ。口唇口蓋裂についての正確な情報はコチラのサイトでhttp://www.widesmiles.org/)。
牛の道具(クラ)をまたぐと、頭の毛がギリギリの子ができる。火事を見ると胎児の顔に赤アザ、大水を見ると白アザが出る。また出産まで立腹したらいかぬとか、高いところへ手を伸ばすと、腹の胎児が手を放すといって恐れる。
ヨナとアトザン
アトザンはサンバさんがきちんと包み、ヨナバカに埋める。ヨナは日の当らぬ、人に踏んでもらえる所へ埋める。またラントウ場へ埋め、親がまたいでおく。ほかにヨナステバというのがところどころにある。踏んでおかぬと、どういうことになるかといったことは聞けなかった。
予兆と臨終
死の禁忌
人間は本能的に死ぬことを避けたがる。そのため日常生活から死を遠ざけなければならない。故に次のような禁忌をわきまえ、心がけ、かりそめにもおかさないように努めねばならぬ。
植物=屋敷内へイチジク・シュウロ竹を植えるといかぬ。これはシュロは人間の血を吸うためという。椿も悪く、首から上がモゲル(椿の花の落ちる状態をさしている)。
方位=家の鬼門に穴を掘ったり、クイを打ったり、増築したらいかぬ。
出棺の準備
人形ダカセ
出棺が友引の日に当ると、シブトに人形を抱かせて二人のテイになぞらえる。そのほか友引には出棺を夕方にのばすのが多い。

ワイドスマイル日本語版より