ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2002年08月12日(月) あっかんべ〜

男って・・どうして女を苛めるんだろう。おまけに苛めておいて笑うんだろう・・。
目の前で男ふたりが笑い転げているんだよ!私は・・泣いているのにさ〜

事の発端は“宝くじ”に当たったらと私が言い出してしまったからだ。
私の夢は日本中を旅すること。イチバン先に北海道へ行きたいよ!
もう20年くらい温めている夢なのね。でも未だに行けないのだ・・。

夫は一昨年だったか社員旅行で行ったからいいのだ。行くなら独りで行きたいのだ。
「おまえが独りで行ける訳ないだろ!」と夫が言い、「迷子になって行方不明になれ!」と息子が言う。
そしてそのうえ「宝くじが当たる訳ないだろが〜」と声を揃えて夢を壊す。

じゃあ・・“生命保険”が入るまで我慢するもん!私より先に死んでよね!と言ってやった。
こうなったら未亡人の一人旅だからね。ああ・・待ち焦がれていた自由を手に入れるのだ。
そして私は目を閉じて夢をいっぱい膨らませたの。なぜか年をとってなくて今のまんまの私がいる。
よぼよぼのおばあちゃんじゃ・・夢も希望もないよ。今じゃなきゃいやだよ〜

「あんね・・あんたが先に死ぬかもよ!」息子が言う。
「そうだ!そうだ!」と夫が笑う。

その後・・男達の妄想が膨らみ始めた。私はビールをぐいっと飲み干し唇を噛んでいる。

私が死んで灰になったら・・北海道に散骨に行ってくれるそうだ。
いったい何処らへんにばら撒いてくれるのだろう・・。
そして息子はしっかりと位牌を抱きしめ・・
「母さんこれが北海道だぜ!母さんの憧れていた場所だよ・・ほらよく見ておくんだよ!」
「やっと来れたね・・母さん・・嬉しいね・・」
息子は目に涙をためて亡き母を想うのだった。

そして夫は・・「生きているうちに俺が連れて来てやればよかったよ・・すまないな・・」
そう呟き曇る眼鏡を外し目頭を押さえるのだった。

初冬の風が肌を刺す。男達はオホーツクの海へ私を流す。
男達の沈んだ顔が微笑みに変る時・・私はやっと独りになるのだ。

「父さん!ついでに位牌も流しちゃおうか?」
「うん!そうだな!毎日線香立てるのもめんどくさいしな!」

男達は颯爽と歩き始める。「金はたっぷりとあるぞ!旨いもんいっぱい食って帰ろう!」

私は・・それでもいいもん。夢が叶うなら・・それでもいいのだ。

あっかんべ〜だ!!


 < 過去  INDEX  未来 >


anzu10 [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加