昨日からずいぶんと暖かく今日もぽかぽかの小春日和となる。 冬将軍もちょっとひとやすみ。雲を枕にうたた寝をしているようだ。
午前中に地区の年末総会、お昼前から川仕事、帰宅して選挙と慌しい一日。 あらあらと言う間に一日が過ぎていくのはいかにも師走らしかった。
せめて散歩の時だけはとゆったりとした気持ちでいつもの道を歩く。 昼間の暖かさをそのままに土手を吹く風もやわらかく優しかった。
お大師堂にはお遍路さんの靴が脱ぎ揃えてあってわくわくと嬉しい。 12月に入って一気にお遍路さんの姿を見かけなくなっていたから。
扉をノックしようとしていたら先に扉が開いてびっくりした。 なんと秋の日に最後のお別れをした長髪青年遍路さんがそこに居た。
もう会うことはないだろうと思いつつずっと気になっていた青年。 愛媛の実家に無事に帰り着いたものの、またすぐに旅立ったのだそうだ。 「もう一度だけ」どうしてもそうしなければいけない理由があったようだ。
家族のために。大切な家族を守るために彼が選んだお遍路のみち。 彼の背負っているものはほんとうに大きくて心を痛めずにはいられなかった。
のほほんと毎日を平穏に暮らしている自分が心苦しいほどに。 彼とその家族の苦悩がひしひしと伝わってきて涙が出そうになった。
前回会った時には決して無駄ではないのだと告げたことを覚えている。 今日はなんと伝えれば良いのか。励ます言葉がうまく見つからなかった。
「すべてでなくていい、ほんの少しでいい」それが精一杯の一言になる。
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