曇り日。朝はそれほどでもなかった寒さが午後から強くなる。 風の冷たさに身震いしながら負けるものかと胸を張ってみたりする。
8日ぶりの山里。なんだかふっと懐かしさが込み上げてくる。 峠道ではお遍路さんがふたり、どうやらご夫婦のように見えた。 お互いを労わりあいながら歩いている様子にほのぼのと心が和む。
仕事は山積みだった。そんな忙しさが私は好きだ。 そうして自分が必要とされていることを感じるのが嬉しく思う。
ばたばたと慌しい時間ばかりではなく庭の山茶花に目をやると まさに満開で可愛らしい桃色の花がたくさん咲いていてほっとする。 寒さも忘れる一瞬だった。冬に咲いてくれる花はほんとにありがたい。
私がいない間に母は風邪をひいていたそうで もう大丈夫よと笑っていたけれどなんだか申し訳なかった。 頑張り屋さんの母のこと、一人で仕事を切り盛りしていたのだった。 助けてとは決して言わない。そんな母の苦労が身に沁みてくる。
会社の心配事も後を絶たず、年を越せるかしらと私が呟くと。 何があったって新しい年は来るわよって笑い飛ばされてしまった。 確かにそうね。どんなに不安がっても時が止まることはないもの。
母の笑顔に励まされてまっしぐらの師走になりそうだった。
こうなったらなんだって来いだ!前を向いてずんずんと進んでやろうではないか。
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