冬至。午後から冷たい雨が降り始めた。
山里の職場で柚子を頂いていたと言うのに 置き忘れたまま帰って来てしまった。 今夜は「柚子湯」と楽しみにしていたのにとても残念である。
仕方なくいつもの入浴剤でお風呂に入ったけれど 柚子湯のことなど忘れてしまうぐらい心地よく温まった。 これも冬の楽しみのひとつ。とても幸せな気分になるのだった。
ふっと昔の五右衛門風呂を懐かしく思い出した。 嫁いだ頃には我が家もまだ薪でお風呂を沸かしていて 嫁いですぐにその役目を任されてしまったのだった。
それが上手く出来ない。思うように薪が燃えてくれなかった。 新聞紙に火を点けて最初は小さな薪から燃やし始める。 炎が見え始めたら徐々に大きな薪を入れていくのいだった。
お風呂も沸かせないのかと姑から小言を言われた事もある。 それが悔しくて毎日奮闘した。やれば出来ると毎日頑張った。
それまでの私はアパート暮らしでお風呂はガスだったから。 子供の頃を思い出してもお風呂を沸かすのはいつも父だったように思う。 だから初めての事だったのだ。上手く出来なくて当たり前だったのかもしれない。
やがてそれが上手になってくるとお風呂を沸かすのがとても楽しかった。 ちょうど良い湯加減になると舅さんがいちばん風呂に入る。 そして夫、姑、義妹が入ってから嫁の私はいつも最後だった。 義妹が入る時にはいつも大きな薪を燃やしてくれていてありがたかった。 おかげでお風呂がぬるいということは一度もなくいつも温まることが出来た。
懐かしいな。あの頃のお風呂。冬になるとよけいに思い出す。
どんなに歳月が流れても忘れられない私とお風呂の思い出だった。
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