午後六時。茜色に染まる空をぼんやりと眺めていた。 カラスはお山に帰ったかしらなんてふと思ってみたり。 ずいぶんと日が長くなったねと夫に語りかけてみたり。
とんとんとんと順調に平穏無事だった一日が暮れていく。 おひさまは微笑みながら「また明日ね」とゆびきりげんまん。
幸せだなってしみじみと思う。生きているんだなってすごく感じる。
今朝は川仕事をしながらすごくちっぽけなことにこだわっていた。 なんでもないことなのにどうしてこんなに気になるのだろう。 考えないでいようと思ってもどんどんとそれが押し寄せてくる。 嫌だなってすごく思った。気にしない、気にしない呪文のように唱える。
きっと私はすごく欲張りなんだなって思った。 特にひととかかわる時、必要以上に「縁」を深めたがる悪い癖がある。 もしかしたら不愉快な思いをさせてしまったのではないか。 そのひとは距離を置きたがっているのではないか。 そうだとしたらこれ以上近づいてはいけない気がする。 たちまち臆病になってしまって声もかけられなくなってしまった。
「去るものは追わず」と言うけれど、それは簡単なことではない。 10年来の友人だと信じていた。それは自分の思いあがりだったのだろうか。
込み上げてくる寂しさを受けとめながら、自分を戒めている。 そうして「もうじゅうぶんではないか」と言い聞かしたりしている。
日常のほんの些細なこと。そうそれはほんとうにちっぽけなこと。
それよりもたくさんの縁に恵まれていることに感謝したいと思う。
「足るを知るは最上の富」と言うではないか。
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