朝の寒さもすぐに和らぎ、日中は風もなくぽかぽかと暖かい。
岩つつじの花が咲き始め山々を彩ってくれる。 のどかな風景にこころがほっと和むのを感じた。
お大師堂の桜、ソメイヨシノもふっくらと蕾をつける。 なんとも楽しみなこと。もう少しあと少しで桜の季節。
今まではあんずと一緒に歩いていた散歩道。 数日前から独りぼっちになってしまった。 やはり長い距離を歩かせるのは無理のようだった。
「よういどん」をして駆け出していた頃が懐かしい。 そうして楽しかった散歩があんずのおかげだったのだとあらためて気づく。
今までありがとうね。母さんはちょっぴり寂しくなったけれど。 あんずが教えてくれた草のにおい。土手を吹き抜ける風のことを忘れない。
お大師堂から帰宅してからあんずをおしっこに連れて行く。 とても散歩とは言えない距離だけれど、あんずはとても嬉しそうだった。
土手の石段を一生懸命に上がると「わぉー」と言ってるような顔をする。 目がきらきらしているのだ。好奇心いっぱいみたいな顔をして見せる。
老いることはどうしようもないこと。 わかっているけれどそれはとてもせつないことだった。
生きようねあんず。いっぱいいっぱい生きようね。
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