自転車でお大師堂へお参りに行った。 そよ吹く風はすっかり秋の風だったけれど ここしばらく耳にしなかったツクツクボウシの声を聴く。
もう最後かもしれないなと思った。 そう思うとなんともせつない鳴き声である。
お参りを済ませ、お線香が短くなるまで川面を眺めていた。 何も思い悩むこともない。さらさらと水が流れていくばかり。
ふと笹舟を浮かべてみたくなった。 きっと無事に海まで流れていくことだろう。
そうして波にもまれてしまうかもしれないけれど 流れついたところが与えられた場所なのだと思う。
「行ってみようか」そう自分の心に問いかける。 臆病で不安がってばかりいる自分を笹舟に乗せてみるのもよし。
お線香が短くなってもう大丈夫かなと家路についた。
自転車は気持ちいい。どこまでも走っていけそうな気がする。
|