日中は風もなくぽかぽかの小春日和になった。 暖かいとほんとうにほっとする。やわらかな時間が愛しくなる。
町では土佐の小京都ならではの大祭があって「一条さん」と呼ばれている。 子供の頃には親からお小遣いをもらって遊びに行ったことなど懐かしい。 たくさんの出店。お参りは二の次でりんご飴などを食べるのが楽しみだった。
我が家も子供たちが小さい頃には家族で出かけたものだった。 玩具もお菓子も欲しがらない子供たちがふと不憫に思ったこともある。 「今日は特別だから良いのよ」って言うと二人とも大喜びしていたっけ。
そんな子供たちもおとなになって巣立って行ってしまうと 我が家にはまるで子供のような夫が「一条さん」を楽しみにしている。
「お母さんがなんでも買ってあげるからね」なんて言うと 普段からよほど我慢しているのだろう。あれもこれもと欲しがるのだった。
神社の出店でとはいかなくて、二人でワークショップに出掛けた。 ズボンやハイネックのシャツ、帽子や靴下まで買って満面の笑顔である。 我が夫ながら帽子が良く似合う。ほめると悦に入っているのが愉快であった。
「おっかちゃんに買ってもろうた」ってみんなに言わんといかんよ。
そんな会話も楽しくてほのぼのと幸せな気持ちが込み上げてくる。
子供みたいなひと。おとうさんでおじいちゃんなんだけど私の可愛いコドモだった。
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