白鷺が一羽川辺にすくっと立って身動きもせずにじっと何かを見つめている。 それは今にも飛び立ちそうで飛ばなかった。そこにいることがまるで使命のように。
忙しい川仕事の合間にもふっと目にする光景がこころを優しく和ませてくれる。
どんな時も心の余裕をなくしてはいけない。 それは誰かから与えられるものでは決してなく自分でつくっていくものだ。
今日も川仕事を終えるなり娘のアパートに駆け付ける。 夜勤明けのお婿さんが無理をしてなんとか午前中は見てくれている。 早く休ませてあげなくてはと思うと気が気ではなかった。
「じいちゃんのブーブで行くよ」と綾菜に言うとちゃんとわかってくれて ちょこちょこと歩いて玄関に向かう姿はなんとも可愛いものだった。
お昼は初めてのチキンラーメン。やはりまだ食欲はあまりなくて 最初は珍しそうに食べてくれたけれど、すぐに「もういらない」という顔をする。 大好きな玉子焼きも作っていたのだけれど、お皿を自分で押しのけてしまった。
嫌なものはイヤ。今は食べたくないとしっかり意思表示が出来るようになっている。 それだけ成長したと言うこと、食べては欲しいけれど喜ぶべきことでもあった。
お昼寝も一時間ほど、私の腕枕でやっと寝てくれたのだけれど そっと腕を外すとすぐに目を覚まして泣き出してしまうのだった。 泣きながら一生懸命なにかを訴えようとしているのがわかる。 抱っこしてうたた寝。熱がまだあってよほどしんどいのだろうと思う。
目を覚ますとテレビを指さして「アンパン、アンパン」を連呼する。 「じいちゃんに見せてもらおうね」って言うとリモコンをジージに渡した。 それもすごい成長だとびっくり。いちばん好きなものは好きって言える。
アンパンマンを見終わるとそろそろ耳鼻科に行く時間だった。 「びょういん」というところをすっかり覚えてしまったので 「ブーブで遊びに行くよ」と言ってまたちょこちょこと玄関へ。
鼓膜切開をしてから膿がすごく出ていて気になっていたのだけれど それが順調な証だと言うこと。膿を吸い出してもらって今日の治療が終わる。
仕事を終えた娘も病院へ駆けつけて来てしっかりと抱き合う母と娘であった。
お母さんがいちばん好き。アンパンマンより好き。
綾菜にはいっぱい好きなものがあってじいちゃんもばあちゃんも嬉しいよ。
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