北風小僧のかんたろう君なのかな? 唸り声と言うよりも何だかめずらしい楽器を吹き鳴らしているようだった。 ひゅるりんひゅるりんひゅるひゅるりん。
日中の気温が昨日よりも8℃も低い。どうりで寒いはずだった。 いつもの散歩道も手がかじかんでしまって早目に家路を急いでしまう。
お大師堂にはまた顔なじみのお遍路さんが来ていた。 「今日は初大師だからね」言われるまですっかり忘れてしまっていた。 初大師の日は毎年ここと決めているのだそうで 一年前にも会っているはずだったけれどあまり覚えていなかった。
もしかしたらいちばん落ち着いてほっと出来る場所なのかもしれない。 エンドレスのお遍路さんには帰る場所がないのだと知っているから。 我が家のように思って寛いでもらえたらそれで良いのだと思った。
やむをえない事情のない限り連泊禁止になっているお大師堂だけれど 「二、三日、休ませてください」と言われたら微笑んで頷くしかなかった。
何が駄目で何が良いのやら。ちょっぴり複雑な気持ちのまま今日は別れる。
「慈悲」という言葉がある。未熟者の私にはまだよくその意味がわからない。
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