予報通りの暖かさとなる。気がつけば今週末にはもう三月だった。 まだまだ寒の戻りがあるだろうけれど、春の声に耳を澄ましている。
早朝から川仕事、午前七時にはもう収穫を始めていた。 朝陽がきらきらとまぶしい。なんて心地よい朝なのだろう。
10時半にはもうすべての作業を終えて早目の昼食。 夫が目玉焼きを作ってくれた。その姿がなんとも可愛らしい。 同じ目玉焼きでも作ってもらったほうがずっと美味しく感じる。
今日はやっと山里の職場に駆けつけることが出来る。 何日ぶりだろう、それさえも忘れてしまうほど遠のいていた。
途中の国道でいちめんの菜の花畑を見つけた。 思わず歓声をあげる。まぶたがそのままシャッターになったように風景が映る。
国道から山道に入った。そうして峠道に差し掛かったら今度はうぐいすの声が。 クルマを停めて窓を開けてしばしその初音に耳をかたむけていた。
急がなくて良いのだな。ゆっくりゆっくり行けば良いと思ったりする。
職場に着くと母がよほど思いがけなかったのだろうびっくりと大喜びしてくれた。 しばらく会わないうちにまたちいさくなったように思う。 まあるい背中、私よりもずっとずっとしわくちゃの笑顔。
菜の花のこと、うぐいすのこと、おしえてあげたいなって思いながらも たまった仕事をやっつけるのにばたばたしているうちにもう帰宅時間だった。
「ありがとうね」って言ってくれる。それがとてもとても嬉しくてならない。
今度はいつになるのかわからないけれど、いつだって精一杯の自分でありたいものだ。
春の声 母の声かと思うほど ふんわりやさしく 耳にしみこむ
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