ぽかぽかとすっかり春を思わす陽気。 暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったもので、明日はもう彼岸の入りだった。
夫、62歳の誕生日。同じく山里の母も76歳の誕生日だった。 出会った頃の夫は27歳。自分の母と同じ誕生日なのを知って驚いたことだった。
もう35年が経ってしまったけれど、なんだかあっという間だったようにも感じる。 父になり母になり、気がつけばおじいちゃんとおばあちゃんになっていた。
30歳で父親を亡くした夫は、俺も長生きは出来ないといつも言っていたっけ。 57歳で亡くなった父親と同じ年で死ぬんだと口癖のように言っていたものだった。
そんな弱気な夫が一気に元気になったのが還暦を迎えた時だった。 そうして初孫の綾菜の誕生、それがどんなにか嬉しかったことだろう。
俺はいつ死んでも良いけど、孫の顔だけは見たいな・・・なんて言っていたのが 今ではすっかり笑い話のようになってしまった。もう二人の孫のおじいちゃん。
昨夜は娘の提案で一日早い誕生日のお祝い。みんなで焼肉バーティーをした。 お婿さんとビールをつぎ合ってそれはそれは嬉しそうな顔をしていた。
綾菜がすっかりおじいちゃんっ子になっているのも嬉しくてたまらない様子。 「じーたん、じーたん」と追い掛け回されて嬉しい悲鳴をあげているのだった。
きっときっと長生きが出来るよ。夫の笑顔には希望がたくさんあふれている。
その希望を自分にも重ねて私も一緒に長生きができそうな気がするのだった。
「おとうさん」と呼んだり「おじいちゃん」と呼んだり、それこそが私の愛しき日々。
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