空はとても穏やかに微笑んでいるというのに こころの中はざわざわと嵐の前触れのような風が吹く。
これはいったいどうしたことか、自分でもよくわからなくて戸惑う。 何かを不安がっているのだとしたらそれは何だというのだろう?
仕事を終えて母の病院へ向かう。 母はたいくつそうにテレビを見ていた。 私が来るのを待ちかねていたようでにっこりと微笑む。
主治医の先生から昨日のカテーテル検査の結果を聞く。 それは決して順調ではなかった。 けれども少しずつ治療していけばきっと良くなると言う。 今はその言葉を信じてすべてお任せするしかないのだなと思った。
まるで「まな板の上のお魚ね」母には笑いながらそう告げておく。
決して弱気にならないこと、そうして焦らないことが肝心だと思う。
「なんかうんちが出そう」急いで看護師さんに来てもらって大騒ぎ。 まだ歩いてトイレには行けないのでポータブルトイレを準備してもらった。
「三日ぶりだからすごいよ」うんうん、匂いもすごいよ〜と大笑い。
「綾菜ちゃんみたいね」そうそう、ちゃんとうんちが出て良かったね!
もっと一緒にいてあげたかったな、後ろ髪を引かれるように病院を後にした。
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