今朝は目覚める寸前まで母の夢を見ていた。
とても切実な顔をして「ガソリン代がない」と云う。
もう免許も失効し運転は出来ないのに何処にいくのだろうと思った。
生前からよくあったことで「お金がない」は日常茶飯事のこと。
特に私が会社の金庫番をするようになってから
母は自由にお金が使えなくなり困惑していたようだった。
夢の中で私は金庫から一万円札を出し母に渡した。
そうしたらとてもほっとしたように微笑む。
しかしその後忽然と姿を消してしまったのだった。
そうして目が覚める。母にお金を渡した後で良かったなと思う。
もし渡せないまま目覚めたらなんとも悔やまれたことだろう。
まだ三途の川は渡っていない。母は車なのでフェリーだろうか。
サングラスを掛け三山ひろしの歌を聴いているに違いない。
決して苦しく辛い旅ではないはずだ。笑顔のままで逝ったのだもの。
職場に着くなり義父に夢のことを話したら
持たせたお金が底をついたのかもしれないと言う。
途中にパチンコ屋さんがあったのかもしれないと。
義父は毎晩母の仏前にお寿司を供えビールをコップに注いでいるらしい。
そのことを今日聞くまで私は知らずにいた。
私はと云えばもう幾日もお線香も上げず母に会ってはいなかった。
いくら忙しくてもそれはあんまりことではないかと反省するばかり。
それ以前に私の薄情さが明るみになったと云っても過言ではない。
仕事を終えてからやっと母に会いに行く。
玄関を開けて「お母ちゃん」と声を掛けてから仏間に行った。
母は決して怒ってはいなかった。その微笑みに救われるような思いである。
母の夢を見なかったら仏前に手を合わすこともなかっただろう。
おざなりにしながら49日を迎えていたのかもしれない。
一万円で足りるだろうか。もし足らなかったらちゃんと伝えてね。
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