ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2025年04月29日(火) たったひとりで

雲一つない快晴。気温も暑さに届かず爽やかな一日だった。


朝のうちに買物に出ればホームセンターに人だかりが出来ている。

何事だろうとようく見れば夏野菜の苗を買い求める人達であった。

茄子、胡瓜、トマト、オクラやゴーヤの苗もあるようだった。


姑さんが残してくれた畑があるがもうすっかり荒れ果てている。

夫は野菜作りなど全く関心がなく私の足では耕すことも出来ない。

せめて庭先にプランターを並べてと毎年思うだけのことであった。

好きなのに行動が伴わない。そうして直ぐに諦めてしまうのだ。

夏になればご近所さんが必ず野菜を届けてくれるのだが

自分で作る野菜ならばどれほど楽しみなことだろうか。




「昭和の日」で祝日。昔は昭和天皇の誕生日であった。

火曜日に仕事が休みなのはどうにも手持ち無沙汰でいけない。

休みが嬉しいどころかむしろ苦しいと云っても過言ではないだろう。

おまけに明日はとうとう月末である。仕事の事が頭から離れなかった。

こんな有り様では来月の4連休が怖ろしくなるばかりである。


午前中はなるべく寝ないように心掛けていたが午後は力が尽きていた。

また3時間も寝てしまい怠惰の波に揉まれるばかりである。

とても不思議な夢を見た。隣に誰かが寝ているのだが

その人の指に口づけをし何と口に含んでしまったのだった。

いったい誰だろう。それは夫の指ではないのは確かである。


気恥ずかしさと後ろめたさで目が覚めた。

気のせいではなく胸が高まり熱く燃えているような午後の事である。


70歳が近くなった老いた我が身であるが

もしかしたらまだ「おんな」なのかもしれないと思う。

それは嫌悪にも等しく拭い去りたいような現実であった。

「ああ嫌だ、嫌だ」おんなはもう懲り懲りである。


若い頃には死ぬまで女でいたいと夢のように願っていたが

歳を重ねるごとにそれがどれ程愚かなことかと思い知るようになった。


私は「にんげん」でありたい。たったひとりの人間でありたい。

そうして今生を全うするのが私の夢である。


※以下今朝の詩

  
        昭和


     ミレービスケット
     アイスキャンデー
     ラムネとカルピス

     お小遣いは10円
     ビスケットは20枚
     アイスは2本買えた

     穴の開いていない5円玉
     母の財布からそれを盗む
     アイスが2本買えるのだ
     蝉しぐれが聞こえる
     暑い夏の午後のこと

     アイスを2本手に取ると
     駄菓子屋のおじさんが
     駄目だよと言うのだった

     10円だと思っていたのは
     穴の開いていない5円玉だったのだ

     オレンジ色のアイスと
     水色のアイスを食べたかったが
     どちらかを選ばねばならない

     かなしみと後悔である
     もう二度と盗んではならない

     涙のように汗を流しながら
     オレンジ色のアイスを食べた



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