ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2025年04月30日(水) 野となれ山となれ

寒からず暑からずで過ごし易い一日であった。

藤の花が散り始めたのかまるで貝殻のようである。

幼い子供なら一枚一枚手のひらに集めたことだろう。


椿は落ちる。馬酔木は枯れる。桜は散り藤も散る。

どんな花にも尽く時がありまた巡ってくる季節を待つ。

それは人にはとうてい叶わない自然界の摂理であった。



朝の道を職場に向かっていると田植えをしている義父の姿を見つける。

軽トラックで苗を運んでいるのは義父の友人であった。

田植えをするとは全く聞いていなかったので少し戸惑う。

今日の仕事の段取りがご破算になってしまいそうだった。

今更止める訳にも行かず諦めるしかないと思っていたのだが

10時過ぎにひょっこりと帰って来てくれてとてもほっとした。

けれども少し休むとまた田んぼへ代掻きに出掛けてしまう。

車検待ちの車があることを大急ぎで伝えるのが精一杯であった。


お昼過ぎには帰って来てくれたが今度はハウスの管理に出掛ける。

苗が枯れないように毎日水遣りをする必要があった。

毎日のことで手間が掛かるのでアルバイトの女性を雇っていたが

実家のお母さんが亡くなられたそうでしばらく休むのだそうだ。

こればかりは仕方なく義父が管理をしなければならなくなった。


3時になっても帰らず4時前になってやっと帰って来てくれる。

車検のことは忘れてはおらず直ぐに取り掛かってくれ大助かりであった。

4時半になり同僚と納車に行き遅くなったことを深く詫びる。

新規のお客さんだったので気が気ではなかったが

気を損ねた様子も見られずむしろ上機嫌であった。


5時前に帰路に就いたがもう買い物をする時間もない。

娘に電話をしたら冷蔵庫にある物で間に合いそうだった。

峠道を下りながら何と慌ただしい一日だったことかと振り返る。


金策は何とかなり大口の支払いも無事に済ますことが出来た。

一時的に借金をしてしまったが直ぐに返済出来るだろう。

とにかく今日のことである。後は野となれ山となれなのだ。

商売には行き当たりばったりもなければならない。

例え落とし穴があろうと進まなければいけない道がある。

急場さえ凌いでいればまた穏やかな谷が見えて来るのではないだろうか。


カレンダーを5月にする。もうさらば4月であった。

母の遺影に手を合わせ「お疲れさま」と手を合わす。


※以下今朝の詩


           晦日

        はるなつあきふゆ
        どれほどの季節を
        乗り越えて来たか

        花は散り尽きた春
        陽が燃え続けた夏
        秋は空が高くなり
        雪が舞う冷たい冬

        晦日は約束を果たし
        新しく契りをむすぶ

        日々があってこそと
        命の行く末を知った

        終らなければ
        始められない

        もう振り向くのはよそう




          


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