午前中はにわか雨が降った時間帯があったが午後には青空が見える。
陽射しがあると一気に気温が高くなり30℃の真夏日となった。
風もなく何と蒸し暑い一日だったことだろう。
朝の道の良心市にまた沢山のそら豆が並んでいた。
食べたくてならなかったが家族には不評なので諦めてしまう。
枝豆よりも美味しいと思うのだが孫達も食べてはくれない。
買って帰れば娘に叱られてしまうだろう。
職場に着くなり訃報が舞い込む。義父の従兄弟が亡くなった知らせだった。
確か母と同い年ではなかっただろうか。もう高齢には違いない。
お葬式の段取り等を義父に任せたいと頼ってくれたのだが
今日は最後の田植えの「種籾」を撒く予定を組んでおり
また友人達が手伝いに来てくれることになっていた。
従兄弟の家族に何と云って断ったのだろう。
「それどころじゃない」といささかご機嫌斜めの義父であった。
本来ならお葬式を優先するべきである。それが人の道に思えるが
義父の頭の中は米作りに支配されていると云っても過言ではなかった。
今回に限らず義父はよほど頼りがいのある人物らしい。
それだけ信頼されていることをもっと喜ぶべきに思うのだが
「どいつもこいつも」と声を荒げているのだった。
挙句には「何かに取り憑かれているかもしれん」と嘆くのであった。
あまりの忙しさに平常心を失っていたのだろうと思われる。
お通夜、お葬式と続くが身を粉にしても尽くす義父であった。
リハビリのある日だったので2時半過ぎに退社したが
今日は待ち時間が長く病院を出たのが4時過ぎであった。
夕飯のメニューも思い浮かばず半額品ばかりカゴに放り込む。
娘が何とかしてくれるだろうとひたすら頼るばかりであった。
こんな時に娘が居てくれるとどれほど助かることだろう。
幸いと云って良いのか再就職の話は一切まだない。
娘達の夕食時、あやちゃんが「くくっと」鳩ぽっぽになっていた。
両親と10年後の話をしていたらしくあやちゃんの未来である。
「株でもやって稼げや」と父親。
「それがええねえ」と母親。
あやちゃんはそれが面白かったらしく笑い転げていた。
10年後は23歳のあやちゃんに会えるのだ。
私も仕事を全うし穏やかな老後が待っているかもしれないと思う。
「のっぺらぼう」ではいられないのだ。しっかりと見届けなければ。
あやちゃんの10年、私の10年と未来への道が続いている。
※以下今朝の詩
穴
すっぽりと抜け落ちた 穴のようなものである
昔まだ子供だった頃 三角定規の丸い穴から 青い空を見たことがある
その穴は一つでは足らず やがてシャボン玉のように 透明な穴になり空を舞った
おとなになれば穴は深く 落ちてしまうと這い上がれない もがき苦しむことを覚えたのだ
けれども見上げればいつだって 青い空がどこまでも続いている
どうしようもなく途方に暮れた時 自ら穴を掘ることを覚えた 泥だらけになってしまったが 不思議と守られているような まあるくてあたたかい穴だった
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