ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2025年07月10日(木) 戻り梅雨

曇りのち雨。日中は殆ど降らず夕方から小雨が降り始めている。

「戻り梅雨」だそうでしばらくは不安定な天気が続きそうだ。

栃木や群馬ではゲリラ豪雨があったとのこと。

かと思えば全く雨が降らず飲料水にも影響が出始めている地域もある。

我が町は四万十川のおかげで飲料水が不足することはないが

渇水は全国的に大きな問題でありとても他人事には思えなかった。

降り過ぎても困るがどうか程よい雨をと望まずにいられない。



朝の国道を行けば道路沿いの民家に百日紅が見事に咲いていた。

毎朝通る道なのにどうして今朝まで気づかなかったのだろう。

これも夏を代表する花である。きっと百日は咲くことだろう。


職場に着いて庭を見回したが百日紅はまだ咲いていなかった。

木そのものが見当たらないのだ。いったいどうしたことか。

もしかしたら昨年の伐採騒動の折に巻き添えになったのかもしれない。

もしそうだとしたら母の形見であるだけに残念でならなかった。

雨不足もあるだろう庭は荒れ放題になっており無残に見える。

母が知ればどんなにか嘆くことだろう。


工場の仕事は車検が完了し、エアコン修理も一台は完了した。

義父は午後から選挙関係の会合があり出掛けて行く。

以前ほどには選挙運動をすることはないが断れなかったようだ。

責任感が強いのかもしれないが単なるお人好しにも見えなくはない。



3時前に退社し整形外科に向かう。

駐車場が満車状態で仕方なく第二駐車場へ停めたのだが

病院まで僅か30メートル程の距離が苦痛であった。

杖を付きながら一歩一歩踏みしめるように歩く。

幸い猛暑は和らいでいたがふうふうと息が切れ汗も滲む。

受付の女の子に辛かったことを話すと直ぐに休むように云ってくれたが

待合室の椅子に腰を掛けるなりもうU君に名前を呼ばれていた。

リハビリ中に息を整えるとそのまま意識が遠のくようだった。

目を閉じているとついつい良からぬことも考えてしまう。

このまま歩けなくなってしまうかもしれない。

もし転倒すれば骨折は避けられないだろう。


U君に話せば「大丈夫ですよ」と優しく応えてくれた。

無理をせずゆっくりと歩けば良いのだそうだ。

太腿からふくらはぎ足の裏から腰や背中まで揉み解してくれる。

同時に心も揉み解してくれたのだろう。何と有難いことだろうか。


5時前に帰宅したが10分だけ横になることが出来た。

ローカルニュースを見ていたら明日も明後日も雨らしい。

数年前にも「戻り梅雨」があったそうでその時と同じ状況らしかった。


「戻る」その言葉が何となく好きだなと思う。

この世には戻れないことがいっぱいあって前へ進むしかない。

やり直すこと。もう一度最初から始めること。

そうすればまた違った景色も見えて来るのに違いない。


空は気ままである。戻りたいだけ戻って雨の季節をまた始めようとしている。



※以下今朝の詩


     鏡川

 16歳の夏休みのことである
 喫茶店でアルバイトをしていた
 珈琲の淹れ方も上手になり
 サンドイッチだって作れた

 店の前でバイクの音がして
 しゅう君がやって来る
 バイトが終わるのを待ってくれた

 何処に向かっていたのだろう
 しゅう君の背中にしがみつく
 夏の陽を含んだ風が心地よい

 鏡川は何を映すのか
 いったい何を知っているのか
 恋である前に尽きようとする
 戯れているのは誰だろうか

 鏡川を渡り切ってしまうと
 もう道が途絶えたように思う
 しゅう君のバイクの音が遠ざかる

 溢れんばかりの陽射しを浴びて
 川面はきらきらと輝いていた










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