ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2025年08月13日(水) 迎え火

朝のうちは鰯雲が見られ爽やかな青空であったが

日中は入道雲に変わりカンカン照りの猛暑日となる。

明日は今日よりも暑くなるとのことまだまだ夏が続きそうだ。


今朝は四万十大橋を渡っていたら川向のお客さんから

朝獲れの夏野菜を取りに寄るようにと電話があった。

家の前まで行くと両手にビニール袋を抱え待っていてくれた。

ゴーヤ、オクラ、白いお茄子と何と嬉しいことだろう。

特にゴーヤはきんぴらにして食べると美味しく楽しみであった。

礼を言い「ほいたらね」と手を振ると「また電話しちゃるけん」と

お客さんと云うより親戚みたいに感じてほっこりとあたたかい。

買えば高い野菜である。何と有難いことだろうか。



山里に着くと義父がコンバインの手入れをしていた。

先日お仲間さんの稲刈りを手伝った際のもち米が残っているのだそうだ。

もちろん混ざってはならず綺麗に掃除をしなければならない。

今日こそは稲刈りの予定だったがすっかり出遅れてしまった。

結局昼食を終えて炎天下の午後2時になりやっと出掛ける。

刈り始めたら早くあっという間であったが夕方まで掛かるだろう。

籾を運ぶ役目の同僚は少し機嫌が悪かった。

残業になろうが義父には気遣う気持ちなど全くないのである。


私はお給料の準備をしていた。現金はぎりぎりの状態で

「お盆玉」どころではなかったが少しでも支給しなければならない。

例年の半分以下であったが無いよりはマシだろうと思う。

同僚も経営難を分かってくれるはずだが心苦しくてならなかった。

それにしてもどうしてここまで窮地に立たされたのだろう。

昨年は義父にも「お盆玉」をあげて大喜びだったことを思い出す。

不景気と一言では済まされない。このままでは前途が思い遣られる。



整形外科のリハビリを終えて4時には帰宅していた。

夕食後に義妹宅へ行き「迎え火」を焚く。

仏様には気の毒であったがそっと母に声を掛けた。

決して遠慮をしないこと。必ず我が家に帰って来ること。

もし母に伝わらなかったらとても寂しいことである。

昨年は初盆で母は確かに我が家に帰って来てくれたが

二度目となると母も悩むのではないかと思う。

生前から我が家に来るといつも遠慮する母であった。

やはり私と母には長年の確執がありそれが原因だと思われる。

その上に私は何と薄情な娘だったことだろう。

もしかしたら未だに母の事を赦し切っていないのかもしれない。

まだまだ歳月が必要ならば受け止めるしかないと思う。

私があの世に逝った時に真っ先に母が出迎えてくれるだろうか。


帰れる魂もあれば帰れない魂もあるのだそうだ。

それでも手を合わせずにはいられない。

帰る場所の無い魂ほど憐れな存在があるだろうか。


※以下今朝の詩


    盆帰り

 真夜中に目を覚ますと
 母が隣で眠っていた
 寝息を確かに感じる

 帰って来たのだなと思う
 母の初めてのお盆だった

 目を覚ました母は
 お風呂に入りたいと云う
 シャワーではなくて
 湯船に浸かりたいと云う

 急いでお湯を張った
 母の何と嬉しそうな顔だろう
 さっぱりと気持ち良さそうだ

 「ビール飲みたいろ?」と訊けば
 「要らん」と応え母は再び眠った

 旅の疲れだろうかと思う
 母はいったい何処から帰って来たのか

 寝息を感じなくなってはっと目覚める
 確かに居たはずの母の姿が消えていた

 不思議と寂しさを感じない
 母が帰って来てくれたのだ

 そうして朝がやって来る
 ほんの少し秋の風が吹いていた

 







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