今日もほぼ猛暑日の厳しい残暑となった。
帰宅時には途中から大雨となったが市内は降っていなかった。
局地的な雨は各地で降っており秋田や青森では河川が氾濫したようだ。
今夜から明日未明にかけて線状降水帯が発生する怖れがあり
これ以上の被害がないことを祈るばかりである。
山里は予定通りの稲刈り。義父の友人が3人も手伝いに来てくれていた。
2台のコンバインで刈るのである。あっという間のことらしい。
それでも今日で完了とはいかずまた後日刈るのだそうだ。
友人達への手前もありいつも以上に張り切っている義父であった。
そのせいか言葉遣いが悪く私に食って掛かろうとする。
悪く云えば「高慢ちき」だった。「この野郎」と私は心で叫ぶ。
工場は今日も開店休業でそろそろ限界のようである。
車検の予約が入り始めエアコン修理の依頼もあった。
おそるおそる同僚に電話したら明日から出勤出来そうとのこと。
無理を強いることになるが背に腹は代えられない。
帰宅したら常連のお客さんから電話があり出先でパンクしたらしい。
今の車はスペアタイヤが装備されておらずこんな時に困る。
稲刈り中の義父はとても無理で仕方なく同僚に頼むしかなかった。
その電話を横で聞いていた夫が「やめておけ」と口を挟むので
むっとして睨みつけてしまった。これは私の仕事なのである。
同僚は嫌がりもせずに駆け付けてくれることになり大助かりだった。
同僚が神様のように思えたがそれ以上にお客様は神様である。
夫も理解してくれたのだろう。その後の機嫌も良くほっとしていた。
娘と夕食の支度をしていたら昨夜とても怖い夢を見たのだそうだ。
誰かに手を引っ張られ窓から空へと連れて行かれそうになったらしい。
咄嗟に「おかあ助けて」と私を呼んだところで目が覚めたと云う。
私は私で丁度同じ時間帯に誰かに足を引っ張られていた。
とてもリアルで夢だとは思えない感触があったのである。
「やめて!」と叫んだところで目が覚めたがそれが寝言だったらしい。
夫は真夜中に大きな声で起こされすっかり寝不足だったそうだ。
もうお盆も終わったのにそんな霊的なことがあるだろうかと思う。
私の霊感の強いのは母譲りで娘もその血を引いているようだった。
「疲れちょったがよ」と娘を宥めたことだった。
実は私も今朝まで知らなかったのだが娘は昨日から再就職をしていた。
私には何も知らせてはくれなかったが留守を守る父親に報告があり
孫達の昼食のことも頼まれたのだそうだ。
半年のブランクがあり慣れない新しい仕事である。
緊張もあれば気疲れも大きかったことだろうと察する。
だからたまたま見てしまった怖い夢だったのだろう。
それにしてもどうして娘は私に何も報せてくれなかったのだろう。
「今日から仕事に行くけんね」その一言が無かったのが寂しかった。
いったい何の隔たりがあるのか私には理解出来ないことである。
それでも例え夢の中でも私に助けを求めてくれたのが嬉しかった。
私は必死の思いで娘の手を引っ張っていたのだと思う。
どれほどの隔たりがあろうと娘は私の「陽だまり」に違いない。
※以下今朝の詩
鍵
何処へ行こうとしているのだろう 明るい光の射す場所から 暗闇へと押しやられているようだ
記憶の鍵を握り絞めていると 錆びのようなものが見える 赤茶けた血痕のようでもある
鍵穴を覗き込むと青空が見えるが 流れる雲の行方など知りもしない せめて鳥の姿があれば救われるだろう
いつまでもこどもではいられない 少女はやがておとなになっていく 知ってはならないことが増えていった
父よ母よ弟よ あの陽だまりのような暮しは もう過ぎたことなのだろう
いっそ捨ててしまばいい鍵を 握りしめたまま 老いの坂道を上り始めている
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