ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2025年10月06日(月) 老体にムチ打つ

連日の真夏日。10月だと云うのに何と異常な気温だろう。

市内の江川崎では33℃を超えていたようである。

しかし真夏の暑さとは何となく違う。

そよそよと心地よい風が吹き暑さを和らげてくれるのだった。

夏を追いやれない秋がそっと寄り添っているようである。


今夜は「仲秋の名月」なのだそうだ。

窓からはそれが見えず残念だが外に出て土手に上がる気力もない。

もしかしたら明日の夜明け前に西の空に見えるかもしれなかった。

月を愛でる気持ちも薄れ感慨に浸ることももうないのだろうか。

何とも寂しく落ちぶれてしまったものである。



仕事は月曜日のせいか怒涛の忙しさであった。

出勤するともう予約のお客さんが来ており待ち兼ねていた様子。

同僚が来るのを待ち早速にタイヤ交換を始めてくれた。

そうしていると今度は車に傷を付けてしまったお客さんが来る。

それは義父ではなくてはならず電話をしても繋がらない。

あたふたと焦りながら独断で「傷隠しクリーナー」を試してみた。

すると車体の傷があっという間に消えたのである。

お客さんは大喜びで一円も払わず帰って行った。

お次は車検切れのお客さんで困り果てていたが

予約制であることを伝えると納得してくれ明日まで待ってくれることになる。

スケジュールのボードはもう20日まで埋まっていた。

明日も予約が入っているが何とかなるだろう。

よくある事だが飛び込みのお客さんにはいつも頭を悩まされる。


9時を過ぎてやっと義父が顔を見せてくれた。

私の着信に気づいたようだがもう遅かりしである。

とりあえずあれこれと報告をすると「そうか」の一言であった。

例の大型車の修理は完璧ではなかったようで納車は出来ない。

人間だと癌なのだそうだ。それもあちこちに転移している。

ディーラーに相談したが即答は出来ないらしく義父も困り果てていた。

同僚には無理だが義父ならきっと出来る修理であったが

まだ稲刈りも完全に終っておらず義父も悩んでいたのだろう。


午後は車検。大型車なので随分と時間が掛かった。

帰宅が遅くなりそうだったので娘に買い物を頼んだのだが

昼寝をしていたらしくすこぶる機嫌が悪い。

遅くなってもちゃんと作るからと云ってくれ頼るしかなかった。

車検の書類を整え4時に退社。帰宅すれば5時であった。

メニューは「牛丼」だったので娘のおかげで直ぐに出来る。

孫達も好きなので何とほっとしたことだろう。


血圧が上がっているようには思えなかったが

背中に針金が刺さったように痛む。

朝の8時半から4時までお昼休憩もなかったのだ。

さすがに老体には厳しい一日だったようだ。

お風呂に入浴剤を入れてゆっくりと湯船に浸かる。

おかげで背中の痛みもすっかり楽になっていた。


お風呂から出ると娘達の夕食の時間であり

あやちゃんがにこにこしながら牛丼を食べてくれていた。

「美味しいかね?」と訊くと「うん」と応える。

そんなささやかなことが嬉しくてならない。

一日の疲れも何処へやらとても幸せな気分になった。


老体にムチ打つ。私よりもムチが折れるかもしれない。

とにかく出来る事を精一杯に頑張っているこの頃であった。

いつかは必ずゴールに辿り着く。

どれ程の老いであっても心地よい達成感が待っていることだろう。


※以下今朝の詩


     実

 落ちるならば手を添える
 転がるならば拾い上げる

 花の季節が終り
 実を付けるようになった
 それは種でもあり尊い

 私もかつては咲いていた
 薄紫の花だった頃がある
 蜜蜂や蝶とふれあい
 微笑んでばかりいた

 夏の陽射しの眩しさに
 雨を欲しがるかのように
 恋をしたこともある

 どうして散り急いだのか
 そうして落ちて行ったのか

 実となれば切なさが募る
 やるせない想いが深まる

 種としてまた巡る季節に
 生きて在りたいと願う





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