幸い小雨であったが一日中降り続く。
気温は16℃と低目で冷たい雨となった。
11月中旬の気温だそうで一気に晩秋のようになる。
つわぶきの花を楽しみに峠道を上ったが
生憎の雨で項垂れており憐れでならない。
茎の長い花なので雨を凌げなかったのだろう。
けれどもまだ咲いたばかりである。
青空が見え始めるときっと元気になるに違いない。
雨遍路さんも多い朝だった。これも憐れに見えて
雨合羽を着ていないお遍路さんもいて心配でならない。
笠を被ってはいるがどんなにか冷たいことだろう。
延光寺に着くまで一日中歩き続けなければいけないのだ。

仕事は一気に順調となりほっと肩の荷が下りたようだった。
義父は昨夜遅くまで片付けをしていたそうで見違えるように整理されていた。
大型車の難解な修理もしなければならず工場の中に入れてある。
そうして同僚に今日の仕事の指示をすると車検を2台済ませてくれる。
午後は大型車の修理を始めており工場は活気に満ちていた。
どうか順調にとひたすら願うばかりであった。
取引先の部品屋さんが集金に来て全額支払ったが
また一気に預金残高が少なくなり前途が暗くなる。
しかしまだゼロではないので何とかなるだろうと思う事にした。
月末まで綱渡りとなるが決して足を踏み外してはならない。
仕事を終えればリハビリが待っていたが
今日もキャンセルがあったらしく直ぐに順番が来る。
リハビリ中に薄っすらと目を開けてみた。
やはりU君はかなりのイケメンで俳優の誰かに似ている。
その俳優の名を思い出せずそれがもどかしくもあった。
恋をしようと思う。おそらく人生最後の恋だろう。
帰宅して娘に恐る恐る今朝の物音について訊いてみたら
「静かやったねえ」と褒めてくれて何とほっとしたことか。
「うるさかった」と云われたらもう限界にも思える。
この調子で明日からも忍び足で頑張らねばならない。
それにしても肌寒い夜だこと。
一気に寒くなったせいか今夜は血圧が177もあった。
神経質な者だから納得が行かず3回も測ったが変わらない。
けれども特に自覚症状はなく至って元気な夜である。
毎年冬になると死が頭を過るが今年はあっけらかんと過ごしたい。
人間だもの死ぬ時は死ぬ。生かされることだってある。
生きたい願いだって叶うかもしれないのだ。
殺せるものなら殺してみなさい。雨の暗闇に向かい叫んでみた。
※以下今朝の詩
内緒
ひそひそと雨が降っている 誰にも知られたくないように これは内緒の話である
例えば山肌に咲く一輪の花 つわぶきの花は晩秋を知らせ 旅人のこころを和ませるが 誰も手折ろうとはしないのだ
雨に濡れ雨に打たれる その姿を見つけたら そっと通り過ぎて欲しい
そんな存在で在りたい ひそやかないのちである
雨はやがて止むだろう そうして何事も無かったように 見上げる空が輝き始める
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