ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2025年10月27日(月) ケセラセラ

爽やかな秋晴れ。柔らかな陽射しが燦々と降り注ぐ。

吹き抜ける風の何と心地良いことだろう。


早朝近くのローソンに買い物に行っていたら

40代位の立派な体格のお遍路さんに会った。

ささやかなお接待のつもりでチョコを手渡したら

とても喜んでくれて納め札を頂くことが出来た。

兵庫県からのお遍路で名前もちゃんと記してある。

昨夜は近くのペンションに泊まっていたのだそうだ。

店内の事で長話は出来なかったがこれも一期一会であった。

陽に焼けた逞しい足。きっと無事に結願するに違いないと思う。

不思議なもので声を掛け易いお遍路さんとそうでないお遍路さんがいる。

何か特別な光のようなものを発しているのかもしれない。

私は直感で動くがこれまでその感が外れたことはなかった。

声を掛けて良かったのだなと思う。それはとても清々しい気持ちである。



義父は未明から高知市へ。最後に収穫したお米を運んで行く。

量が少なかったので米問屋さんも運送の手配が出来なかったそうだ。

大型の運搬車に昨夜からお米を積み込み準備していたらしく

3時半に山里を出たと聞きおどろく。

とても82歳の高齢者とは思えないパワフルな義父であった。

無事に問屋さんにお米を引き渡すととんぼ返りである。

何と11時にはもう帰って来ていて上機嫌であった。

午後からは市内で検査員研修があり忙しなく出掛けて行く。

おそらく最高齢の検査員だろう。それがとても偉大に思える。


経理は自動車保険の引き落としがあり預金残高が足らなかった。

先月分も払っていなかったので併徴となっており大いに厳しい。

3時ぎりぎりまで入金を待ったがなしのつぶてである。

仕方なく同僚に頼み立て替えて貰うしかなかった。

情けない事だが同僚にも現状の厳しさを知っておいてもらいたい。

親方日の丸ではない。零細企業の底の底である。

義父が知れば「どうして俺に云わんがじゃ」と叱られることだろう。

これは秘密にしようと思う。入金が在り次第同僚に返済するつもりである。

今日の事は何とかなったが明日からまたゼロであった。

月末の目途も立たず途方に暮れるべきだが

私も図太くなったのだろう。ケセラセラと笑い飛ばしているのだった。

くよくよと思い詰めても何も変わらないと思う。

乞食のように嘆いてもお金は天下の回り物である。

まわるまわる世界はまわると歌うように過ごしたいと思う。


帰宅したらご近所で不幸があったらしくお香典の準備をした。

財布の中にあった最後の一万円札があっけなく消えていく。


※以下今朝の詩(昭和シリーズより)


       お湯

 父が瞬間湯沸かし器を買ってくれた

 「なんぼか冷いろう」と云って
 学校から帰ったら真っ先に台所に行く

 最初は怖くて不安でならない
 「かちかちかち」と音がする
 すると小さな窓から炎が見えた

 蛇口に手を添えると温かいお湯が出る
 嬉しくてならず何か洗いたいと思った

 夕食後は食器洗いが楽しみでならない
 お茶碗もお皿もお箸も喜んでいる
 弟が興味深そうに傍らから覗いていたが
 これはお姉ちゃんの仕事だからと云った

 霜がいっぱい降りた朝も
 雪がチラつく夕暮れ時も

 お湯さえあれば生きて行けると思った





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