夜明け前まで雨が降っていたが日中は花曇りとなる。
風が強く気温の割に涼しく過ごし易い一日だった。
関東では「春の嵐」だったとのこと。
満開の桜もはらはらと散ったことだろう。
そんな悪天候の中でもお花見をしている人がいて驚く。
都会ならではのことなのだろう。田舎では考えられない。
山里ではまだ満開にはなっていないが
少し早くに咲いた大島桜が散り始めていた。
郵便局の入り口には花びらがたくさん落ちていて切ない。
年度末で局長さんと配達員のゆみちゃんが今日で退職だった。
先日退職記念の品を渡し終えていたのだが
とうとう最後の日になりお別れの言葉を交わす。
局長さんは早期退職とのことで第二の人生を始めるようだ。
ゆみちゃんはちゃっかりしていて山里の企業に再就職を決めていた。
それも明日が初出勤とのことで休む暇も在りはしない。
郵便局の制服を脱ぐだけで明日からも山里で働くのである。
私より一つ年下であるが何ともパワフルなゆみちゃんであった。
お互いあと10年は働こうねと励まし合って別れる。
お別れじゃないよ。「また明日ね」と云って笑い合った。

仕事は月末で気忙しかったが今月は資金にゆとりがあり助かる。
午前中に支払いを済ませばもう楽勝であった。
ずっとこんな月末が続けばどんなに良いだろうかと思う。
油断は禁物でまた直ぐに大きな落とし穴があるかもしれない。
義父は居室に居るようだったが一向に姿を見せなかった。
友人が訪ねて来て大きな声で呼んでも返事もない。
電話をしてみたら出たらしく体調が悪く寝ているとのこと。
友人も無理強いはせずそのまま帰って行った。
私も気になったが居室へ様子を見に行くことをしなかった。
おそらく日頃の疲れが一気に襲って来たのだろう。
たまにはゆっくりと休ませてやらなければいけない。
これ以上無理を重ねれば義父が壊れてしまうような気がした。
同僚は昨日からの車検整備が2台完了し検査待ちであったが
義父に伝える事も出来ず明日に延期することにした。
お客さんには迷惑を掛けるが背に腹は代えられない。
同僚と顔を見合わせ溜息ばかりついていた。
そんなこんなで定時で仕事を終えてカーブスへ向かう。
一気に気分が明るくなり爽快に汗を流す。
私でも頑張ることが出来るのだ。何と嬉しいことだろう。
「すごいね、えらいね」の声が大きな励みになっている。
4時半に帰宅。自室の窓から対岸の山桜を眺めていた。
てっぺんの大きな桜の木もやっと咲き心が浮き立つ。
嬉しい事ばかりではないかと思ったが
何処からともなく不安が襲って来るのは何故だろう。
10年後の自分の姿が想像出来ない。
どれ程老いぼれている事だろうと怖ろしくなった。
「おばあちゃんは汚い」孫達の声も聴こえて来る。
それはリアルに洗濯物を仕分けしているのだった。
何をしても娘に叱られる。「余計なことをしないで」
夫は生きているのだろうか。これ程の不安があるだろうかと思う。
何をしても中途半端だった。
命がけで書いていても何ひとつ報われはしない。
「はい、もうここでお終い」そんな声に怯えながら必死に生きている。
※以下今朝の詩
桜雨
ざぶざぶと雨が降っている 遠雷がこだまするのを 臆病な子のように聴き 胸の震えを抱きしめていた
なんと愚かなことだろう 優れていないことが 哀しくてやりきれない
花に嵐とひとは云うけれど 歯を食いしばるように 生きていることを どうして否定出来ようか
咲いたばかりの花である 口惜しさを言葉に出来ず ただ耐えることを選んだ
どうして潔く散れようか まだこれからの春ではないか
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