2004年07月13日(火) |
不定期連載:セルピコさんのやりくり旅日記(悪霊オプション付) |
長旅に必要なのは何をおいてもまず路銀です。そのうえファルネーゼ様は絹しか着た事のないお嬢様。最近は口にだしませんが、食べ物にも少しご不満なご様子。僕のタバード(紋章官の制服)や鎧を売ったお金も残りわずかになりました。キャスカさんやイシドロさんやパックさんは行商のおばあさんから無断で売り物持って行くし‥。誰が支払いしてると思ってるんでしょうか? ともかく愚痴を言ってもはじまらないので、資金を稼ぐ事にしました。
「まあ、懐かしい。セルピコ、その馬と甲冑は何なのです?」
ファルネーゼ様ですか。この土地の領主様が御前馬上槍試合を開催するとの事でしたので、参加してきます。昼間はガッツさんがいれば大丈夫でしょう。
「でもどうして今頃ジョスト(馬上槍試合)なのです?お前はあまりやりたがらなかったのに」
背に腹は変えられません。参加して優勝すると賞金が頂けるのです。
「ジョストがお金になるのですか?」
‥‥‥ファルネーゼ様は今だご自分でお財布を持った事がない方。お金がどこから出てくるのか知りません。貨幣経済と中世都市国家の発達を説明するのも面倒です。名誉にお金も付いてくるのです等はぐらかしてたら、ファルネーゼ様は絹のスカーフを私にくれました。
「よくわかりませんが、お前が馬上槍試合も得意な事は知っています。必ず勝つでしょう。何も手伝えませんが、腕にお付けなさい」
‥‥‥ファルネーゼ様、騎士が腕に貴婦人のスカーフを巻き付けるのは、貴婦人が騎士の求愛を受け入れたって意味になるのですよ?(汗)。まあ、特に深い意味は無いのでしょうから、お気持ちはありがたく受け取っていきます。
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