ゼロノオト

2008年02月14日(木) スパイダーは再び雨どいを登る

アメリカにいたころ小学校か幼稚園でやった歌とかお遊戯的なもののうち、
やっぱり最後まで覚えてるのは歌詞よりも、メローディなんだよなぁ。

「ビッチビッチスパイダーななーななーななななー」
と、歌詞をほとんど覚えてない蜘蛛の歌があって、両手を使った振り付けもあったんだけど
youtubeで検索したらすぐみつかって、
ビッチビッチスパイダー、だと思ってたのは、正しくは「Itsy Bitsy Spider〜」だった。
(『Itsy Bitsy Spider Song』)


***


ケータイのメモリは全然会わなくなったひとでも消せない質なんですが、
久々に見直してみると、本名はもちろん、顔すらぼんやり…な人もいて、
さすがに思うところがあった。
こっちがアドレス変えましたメールを送っても宛先不明で戻ってきて哀しい思いしてもなお
とっといたメモリは、期限切れの添付ファイルみたいに、いつのまにか脳みその中でリンク切れを
起こしていたのだ。


***


キテレツが好きだった。(cf.アニメ『キテレツ大百科』)
アニメとしてとかいうんじゃなくて、割と彼がタイプだった記憶がある。
時代先取りの眼鏡男子ですしw
考えてみると、初恋から現在まで、割と趣味が一貫しております。
一周して戻っただけかもしれませんが。
というかはじめに形成された趣味嗜好は基本的には変わらないのかもしれませんな。
三つ子の魂なんとやら。

アニメの中で「こうじき」というタイムマシンでたびたび過去に行くんですが、
現在にもどるときはいつも夜になっていて、おかあさんに怒られる!ってハラハラして帰るんですが
あるときは、「出発時刻の15分後に帰ればイインダヨ!」と妙案を打ち出すんです。
でも現在の世界はキテレツ達が過去にいってる間も刻一刻と進んでいて、そんなことをすると、
キテレツ達が夕方まで何時間も不在の世界と、15分だけ不在の世界が生まれちゃう!
どちらか(まあキテレツ達が戻った世界でしかないんだろう)が上書きされるのかい?
そもそもこの現在は、すでに過去に未来(現在)からの使者が来ることを想定された現在なのかい?
考えだすとタイムパラドックスとおぼしきわけのわからなさにやきもきしてしまうのでした。


***


タイムスリップはとりあえず不可能だけど、記憶の中ならよく時間旅行をする。
記憶は過去だ。
でも過去に思いを馳せてるときも、刻一刻と今は進んでいて、24歳の今、
5歳頃のスパイダーソングの記憶を思い返している、
という新しい事実→記憶がつくられていく。刻一刻と蜘蛛の巣状のシナプスから信号が
伝わったり伝わらなかったり記憶やリアル交友関係が繋がったり切れたり、たぶんしている。
過去を思い返す行為に生産性はないけれど、ただでさえ日々大量抹殺されゆく記憶を
意識的につなぎ止めることなしには生き延びられない記憶も多い。
「二度と会わない人は死んだも同然」ともいうけれど、「ああこんな人もいたなあ」と
きっと二度と会えない/会わない古い友人たちの唯一無二のキャラクターを
あだ名で登録されたメモリーに見ては、過去の消滅を少しでも食い止めたいと私は願う。
記憶をさかのぼりつ、くだりつ、今が進む。


The itsy-bitsy spider,
Climbed up the water spout.
Down came the rain
And washed the spider out.
Out came the sun
And dried up all the rain,
So the itsy-bitsy spider
Climbed up the spout again.


スパイダーはまた雨どいを登るのだ。






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