泡沫の記
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2005年01月24日(月) 茉莉花茶

茉莉花(jasmine)茶を飲んだ。

もともとハーブなどのお茶は好きではない。
なんであんな変な味と香りを好き好んでお茶にして飲むのだ?と
漠然と思っていままで生きてきた。

しかし

先日、たまたまペットボトルのjasmine teaを買ってしまい
今夜のどが乾いた折りに開けて飲んだ。不味かったら
捨ててしまおう、などともったいないことを心のどこかで
確信しながら。

その不思議な味と香りには、どこかで体験したはずだという
記憶があった。
「Sさん・・」と、すぐある人のことを思い出した。
私が中学3年から高校卒業まで、勉強をみてくれていた
家庭教師である、薬大に通っていたSさん。
いまは故郷の岐阜でご主人と娘さん3人とともに暮らしている。
年賀状だけの間柄になって20年が経つ。
母子家庭の苦学生だったSさんは、質素な半共同アパートに
暮らしていた。
共同トイレに共同風呂、6畳一間で小さな流しに一口コンロ。
ベットだとずっと思っていたのはビールケースを並べた台に
マットレスと布団を敷いた状態のものだった。
初めて会ったのは私が15才で彼女が19才くらいだっただろうか。
初めて、父に連れられてその部屋を訪れた時も彼女は
紅茶を葉っぱで入れてくれた。
ミルクティ、というものを飲んだのも、私はほとんど初めてだった。
彼女はよく、トワイニングのオレンジ缶から葉っぱを取り出して
ティポットに入れていた。
オレンジペコだ。紅茶の種類を覚えたのも、それが始まりだった。
他にもダージリンとかアッサムなどがあったと思うが
彼女はわりにオレンジペコを好んでいたようだった。

で、ジャスミンである。

その味は、そのSさんのところで覚えた味と香りだったと
思う。だが、彼女はほとんどミルクティ専門で、
中国茶やコーヒー、日本茶ということはほとんどなかった。
あるいはあったのかもしれないが、覚えていないほど
回数は少なかったと思う。
だから、ジャスミン茶など、飲むわけがない。
味を記憶するほど飲んでいたら、覚えているはずである。

私はジャスミン茶なんてハーブティみたいな
草の味のする、まるで薬のようにへんてこな味のお茶だと
勝手に思っていたのだ。
しかし、ジャスミン茶は、悪くない。
私は紅茶を飲む時(コーヒーもハーブティも)は必ず砂糖を
入れるが、ジャスミン茶は、例えば日本茶や烏龍茶と同じで
砂糖を入れるべきではないお茶だった。

いい歳をして、ばかみたいだが今日は私とジャスミン茶の
再会の日になった。
結局、ミルクティの美味しさを教えてくれたSさんのところとは
考えにくい。
オレンジペコってジャスミン茶の味に似ていただろうか・・。

ジャスミン茶は、少しエキゾチックな味がした。



波ちどり |MAIL

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