泡沫の記
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誠はまだ29才、あとふた月で30才。 子ども向け英会話学習の会社の営業で 半年ほど前から当地へ転勤で来ていると言った。 出身は鎌倉市だそうである。
彼はハキハキと物を言う。頭が良さそうだったがどんなものか 考えていると、大学を出て就職してから転職なし、という話題に なり、彼が大卒だとわかる。 思い切って大学名を尋ねると、日吉にある大学だそうだ。 「小田急・・じゃない方ね?」と、あまり利口とは言えない尋ね方を してしまったが、やはり間違いなかった。 ふ〜む、若いが確かにインテリっぽい。
彼には長く付き合った彼女が向こうにいる。 そういうことをあらかじめ知っておくのは辛いが妙な期待を もたないようにするには必要なことだとようやく思えつつある。
私が憂鬱な毎日を送っているという話しになり、 もっと気軽に生きた方がいい、と言う。 とても大事な人が翌日になったら死んでいた、という経験から 見えない先のことを思い悩むより今を大事に生きる、と言った。 刹那的なその考え方は私もかつてはそうだった。
刹那的に生きていいのだろうか。 わたしはどのように生きたらいいのか。 出来るだけ後悔のないように生きたいと思う。 つまらない呪いに翻弄されたくないと願う。 相変わらず、私は闇の中にいる。
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