2004年07月31日(土) |
Sayten 練習日誌 2004.7.31 (他2本立て) |
――――――――――――――――――――― 【intro-lude】
休日に着るスーツのように、 昼間、喫茶店で聞かされた今日の話は、 自分の中では、少し違う・・・かな・・・?
――――――――――――――――――――― 【Sayten 練習日誌 2004.7.31】
これまでいろんなスタジオで練習したが、 jakeが見つけた、できたばかりのここは、 今まででおそらく最高のスタジオだ。 まだ、新築の匂いがする部屋で、 4時間の練習。
40分ほど遅刻してスタジオに入った時、 バンドは「#3」(jake作のインスト)を 鳴らしていた。
前回、1週間前の練習は、訳有って行けなかった。 jakeが心配して電話をくれた。 メンバー誰もが頑張ってる。yukiもキテる・・・。 そう伝えてくれた。 こりゃあ、俺が休んでるわけにはいかなかった・・・。
最初の休憩のあと、 各自が自分の曲を持ち寄り、披露し、 他のメンバーがそれに合わせてみる。
・・・収拾がつかなくなってきたぞ(爆) 嬉しい悲鳴。 ってか、歌詞書くの俺やぞ!みたいな!?(更爆)
メンバーには毎回の練習で発見がある。 ドラムのYUKIは・・・相変わらずやんちゃなドラミングだが、 考えながら叩いている事がものすごくわかる。 jakeは・・・センスのいいギタリストであることを 再認識するフレーズやソロを弾く場面をたくさん見る。
だが・・・醒めた頭がささやく。 たくさんの曲が生まれ始めてる中で、 ふと考え込んでしまう。
果たして我々の楽曲は 「歌」として成立しているのか? 単なる自己満足のみの 音符の配列、リフの整列、 秩序なき演奏の洪水・・になってないだろうか?
少し、迷路にはまり込む。 一度外部の人間を・・・ 客観的に観れるプロデューサー的思考を持った 「あの人」にクリニックしていただかななければ・・・ 早急に・・・だ。
イイバンドにしたいんだ。 我々のペースで、イイバンドにしていきたいのだ。 今がその、産みの苦しみの時・・・。
――――――――――――――――――――― 【愛と呼ばれるもの】
練習が終わって、スタジオのロビーで 簡単なミーティングを済ませたあと、 みんなで食事に行こうと誘うメンバー達に 後ろ髪引かれる思いで、帰りの電車に飛び乗った。
私鉄電車に乗り換えて始発駅で発車を待ってると 一組のカップルが乗り込んできて、並んで座った。 女性の方が俺の隣側に座った。
その女性は、美しい女だった。 まさに俺のストライクゾーンど真ん中(笑)の、 「Do As Infinity」のボーカル、伴都美子似の 髪の長い女性だった。 年齢は?・・・手の甲を見てみる・・・ ・・・20代後半?30歳くらい?(謎笑)
定刻通りに電車が動き出す。 ふた駅過ぎたところで、ふと気がついた。 カップルのふたりには、会話がなかった。 全くなかった。
彼女の横顔を盗み見てみた。 彼氏の方も正面の窓を流れる夜の街も 何も見ていなかった。 うつろな視線を真っ直ぐ置いて、 何かを考えているようで、 また何も考えていないようでもあった。
四つ目の駅に着く手前で、 男の方が、ため息をつきながら 彼女の方をあきれたように、 軽く睨みつけるように見た。 でも彼女はピクリとも動かず、 相変わらずうつろな視線で 真正面を見ていた。 あきらめて男は、すぐ元の姿勢に戻った。
もう一度、俺は彼女の横顔を見てみた。
無表情な顔。 でも皮肉な事に、 だからなおさら彼女を美しくさせる。 心の奥を覗いてみる・・・ ・・・諦観?・・・無気力?・・・ ・・・結局、誰にもわからない事だが。
ふたりの、単なるケンカにしては、 あまりにも彼女の表情に 強い意志を感じるのはなぜだろう? 目的の駅に着くまで彼女は 呼吸を止めたように、全く動かずに 硬い表情のままだった。
彼らの目的の駅に着いて、 まず男が立ち上がり、その後を ごくごく自然に彼女がついて行った。 彼氏の後を、無表情のままの 美しい彼女がついていった。 笑う事も拗ねる事もなく、 無表情のままだった。
彼女の「愛と呼ばれるもの」とは、 いったい何なのだろうか?
俺のため息を乗せた電車は、 定刻通りにその駅を離れた。 俺の家路に向かうために
〇 LOVE WALKS IN / VAN HALEN
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