++今日の塩梅++
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2005年12月06日(火) |
考えても考えても考えても、今 |
春を売ることは出来ても、心を売ることは出来ない。 そんなことに今さら気付かされ、戸惑っている。
私は、心と身体は、もっと離れているものだと思っていた。
だけど違う。
それは間違っていた。
身体は大抵の男に対して同じく反応し、分泌物を産み出す。
だけど、その時、“私”はどうしてる?
好きでもない、ましてや嫌悪感を抱いているような男が私の股間に 顔をうずめる時、その時、“私”はどうしてる?
目をつぶっている。
ずっと目をつぶっている。
ただ身体の快感だけに集中するのだ。
すると男はどこの誰でもない、ただの黒い塊になっている。 人間ですらない、ただの、黒い塊。
黒い・・・人形、だ。
そいつはただの塊で、ただ黒くて人の形をした人形だから、“私”は何も思わず 何も思わず、ただただ肉体の快感だけに神経を集中させて、そしたら簡単に 事は運び、“私”は何も気が付かず、笑顔で、さようならを言える・・・・。
と思っていた。
だけど違ってた。
“私”は私だった。
心を持っていた。
“私”はちゃんと感じていた。私はちゃんと感じていた。
感じていたんだ。
饐えるような臭い。
弛んだ腹。
歪んだ顔。
体液。
頬に落ちてくる汗。
数枚の紙幣。
この肉市場から、いつかは逃げ出さなければ。
分かっているけど現実が現実を許さない。
“私”も私を許さない。
まだ。
今は。
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