悲痛な叫びを何と云つたか
貴方は只、
他人を物としてしか見れず
私を只、
人形の様に可愛がった
貴方の可愛い人形は
何時しか貴方に口答えをするやうになり
人形で在る事が絶対だつた私は
何時しか貴方を憎んで愛した
貴方は只、
自分だけの可愛い人形で在ることを望み
私は只、
人として愛されることを望んだ
此の腕には血が通つているのに?
貴方は抱き返すことを望まない
其の眼には私が映つているのに?
私はこんな愛され方を望まない
悲痛な叫びを何と云つたか
悲痛な叫びは何れも届かず
其れは悲劇へと成り果てる
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