それから、数ヶ月が過ぎた。私は、その会社に採用され、 人にも仕事にも慣れてきている頃だった。
勿論、例の好青年とも、社内で、日常の会話をかわしたり、 冗談を言い合えるようになっていた。
みんな、気さくで、楽しい仲間だった。(いや、そう見えた)
私の職業は、服飾デザイナー。 転職して早々に、一つのブランドの企画を担当した。
これは、ある意味特別なことであった。
普通は、そんなに早く一つのブランドを任される事は、あまりない。
デザイナーにとっては、劇的な昇格であった。
中には、そんな私に心の奥で、好くは思わない人もいたであろう。
仕事は、師走を向かえ、年末独特のバタバタと忙しい日が続いていた。
そして、忘年会の季節でもあった。
忘年会の日取りも決まり、その日にむけて、みんな仕事をこなしていった。 仕事納めの前々日が、その日だった。
そして、忘年会の当日がきた
前説は、ここでおしまい その忘年会こそ、この長い長い物語の幕開けになるのである・・・・・。
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