忘年会は、鍋だった。
どこの会社でもあるように、「今年の反省と来年への抱負」を 一人づつ発表していく。
そこで、驚く事に、営業の男性達に、次々と絶賛される私・・・・ 勿論仕事の内容の事だ。
すごくうれしかったが、ただただ驚いた。
おそらく、転職して、その会社の仕事に慣れようと 夢中で仕事をしていた成果であろう。
とは、言っても、まだ、数ヶ月・・・はじめに思ってたよりやるな ぐらいのことだったのかもしれない。
しかし、このことが、後々の出来事に何かと引っ掛かってしまうのである。
無事忘年会は、終わり、二次会へ・・・・・ お決まりのカラオケコースだった。
そこへ行く道すじ、私は、例の爽やか青年と一緒になった。 彼の名前は、中村 あきら(勿論 偽名ですが) 色々、話しながら歩いていた。
そのころ恋愛感情なんてものは無かったし、そんなつもりもなかった。 ただ、会社の人という感じの感情しか、持っていなかった。
だいいち彼には、奥さんも子供もいたし・・・・・。
そこの会話で、彼の誕生日が、次の日であることを知った。
「なにか、お祝いしてくれる?」彼が冗談めかして言った。 「いいですよ〜中村さん何がいいですか〜?」
お酒も入っていたこともあって、軽い調子で私は言った 「じゃあ、明日仕事終わったら、飲みに行こうよ」 「え〜〜!中村さん飲む量が多いもん!私、そんなにお金ないですよ〜!」 「行って乾杯するだけ。おごってあげるって。」 「マジですか?それならいいですよ」 そんな感じの会話で、本当に飲みに行く事になった。
彼は、笑いながら「いいか、お泊りセットも持って来いよ」と言った 「何、冗談言ってるんですか〜」心底冗談だと思っていた。 まさか、と思われるかもしれないが、私は、まだ、若かったし、無邪気だった。
それに、彼は、既婚者であった。
そんなことがあるわけがない。本気でそう思っていた。
まだ、こんな大人の世界に、まったくと言っていいほど無知だったのだ。
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