次の日の夕方
私は、社内で担当の営業の人と打合せをしていると 彼が、入ってきた。
三人で雑談が始まった。
「高瀬さんお電話です〜」 営業の人が、そこから席を外した・・・・・
声をひそめて彼が言った。
「今日、○○ホテルのロビーで、7時半に、待っててね」
何で声をひそめる必要があったのか、少しだけ不思議に思いながらも、 あぁ、今は、仕事中だからプライベートなことは、おおっぴらに言えないんだな
繰り返し言うが、その頃の私は、純粋そのものだった。 これぽっちの疑念さえも持ち合わせては、いなかった。
○○ホテルのロビーにて・・・・・ 約束の時間を15分過ぎていた。
こんなところで、待ち合わせなんて、大人な気分だわ〜
慣れない場所で、ちょっと、そわそわしながらも、呑気な事を考えながら、 しばらくの間、ソファーにおとなしく座っていた。
20分遅れて彼が、やってきた 「ごめんごめん、仕事がおしちゃって・・・どこに行こうかなぁ」
軽くご飯を食べて、社内の話や、世間話で楽しく会話は弾んだ。
「barに行って、もうちょっと飲もうか」彼が言った。
そこは、細い階段を下りた地下にある、薄暗いアメリカンバーだった。
程よくアルコールも入り、いい気分で、カウンターに着いた。
楽しい会話が、しばらく続いた。
アルコールが、すすむにつれ、少しづつ隣に座っていた彼が近づいてきているのは、感じていた。
次第に、耳元で、ささやくように彼は、私に話していた。
それでも、私は、酔ってるんだな。くらいにしか思っていなかったのである。 もうすぐ終電の時間だな。心の中で思った。
そろそろ帰らなくちゃ。
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