2003年08月28日(木) |
第23章 復讐の幕開け |
事実を捻じ曲げて私を孤立させた「心無い人」 それを信じて私に冷たい対応しかしない会社の人たち 怪文書を送った犯人 全ての行動を監視し仕事を思うように進めさせてくれない会社の社長
そして、最後の夜、私を抱いておきながら 私の前で平然とみかちゃんとの仲をみせつけるあきらちゃん
私は、全ての人を恨んだ。私の中で生まれたのは、復讐心であった。
このまま会社にいるのは辛いだろう。 しかし、ここで辞めてしまっては、 あの「心無い人」の思う壺 怪文書の犯人の思う壺、 そして、私がいなくなった会社で、あきらちゃんは、 みかちゃんと思う存分楽しく過ごすことになるのだ・・・
絶対、許せない。。。。。
私は、辛さから逃れるために会社を辞めることより、 ここで、誰にも何も言わせない業績と地位を手に入れ、 あきらちゃんに私を捨てたことを後悔させるほど美しくなり、 私をおとしいれた全ての人達に正当な方法で最高の復讐を試みる事を選んだ。
その日から、私はその大きな大きな抑圧の中で、孤独との戦いの日々を始めた。
その復讐の為だけに生きた。
毎日のように、朝は、始発で会社に出かけ、全ての掃除を一人で済ませ、 それからは、一心不乱に仕事をはじめた。
足が棒になるまで、駆けずり回り、資料集めやプレゼンのための得意先まわり、夜は、誰にも負けない企画書をつくるために、 終電ぎりぎりまでがんばった。
時には、一人ぼっちの会社で、涙を流しながら徹夜をして仕事をこなした。
あの頃の睡眠時間は、平均すると、毎日三時間程度だったと思う。 眠ろうとしても、眠れないこともあったし。。。。。
しかし、会社では、絶望的に信用を失っている私、 すぐに目に見えて事態が好転するわけもなく、 その復讐が達成されるには、絶大な時間を要した。
絶対、やり遂げて、私を苦しめた全ての人を私の前でひれ伏せさせてやる。
とは言うものの、私の精神状態は、ぼろぼろであった。
あきらちゃんとの最後の夜を会社で過ごしてから、ほぼ半年が過ぎていた。 あいかわらず、みかちゃんとはお楽しみのようである。
夜中の終電は、顔を赤らめた声の大きな酒臭いサラリーマン。 デートを終えて、幸せそうにじゃれあうカップルたち 少し早い忘年会を終えて、楽しそうに笑い合うどこかの会社の人たち。
そんな車両の中で、たった一人、ハードな仕事を終えて家路につく毎日、 みんな楽しそうだな。なぜ私だけがこんな風に?
世の中の私と同じ年頃の女の子たちはきっと楽しくきらきらと生きているのだろう。
そう思うと、私の目からは、涙が溢れた。 たくさんの楽しげな人たちの中で。。。。。
涙は、ぬぐってもぬぐっても、後から後から溢れた。
誤魔化しきれなくなって、電車を降りて、15kmはあろう道のりを 私はたびたび歩いて帰った。
真っ暗な夜中の道は、私の目からつたう涙を誤魔化してくれる。
夜中の道を女がたった一人で歩く危険など、感じる気持ちの隙間もなかった。
自分で命を絶つ勇気がなく、誰か後ろから、私を刺してはくれないだろうか それほどの、ことさえ思っていたのだから・・・・・・
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