2003年09月01日(月) |
第26章 トラウマの呪縛 |
この頃には、私は、仕事も絶好調、社内での人間関係も回復して、 社長の意見でさえも、覆すことのできる実力と実行力を持ち 自分で言うのもおかしいが、これまで綺麗になる努力も怠らなかったせいか、 外面での評価も高くなり、私にアプローチしてくる男の人も数多くいた。 あくまでも、この時期は・・ですが・・・・・ ((このようなことを言うとただのうぬぼれた女だが、事実であります。 この後の話に繋がる為書いておく必要がありました。(言い訳)))
新入社員の女の子たちからは、憧れの人ととなり、 通常なら、いう事無しの まさに、順風満帆な生活であった。
しかし、私の心では、いつもいつも一つの傷が燻り続けていた。
やはり、あきらちゃんの事、そして、ずっと孤立した生活を送っていた過去の トラウマである。
人恋しかった、誰かにいつもそばにいてもらいたかった。
ある日、ヒサビサに学生時代の友人と夜、待ち合わせをした。
夜の街は、私を過去の思い出へ導く、キラキラしたネオンは かつて、あきらちゃんと楽しく逢っていた頃を思い出させた。 せつない。。。
一人で、待ち合わせ場所で立っていると、二人の男の人が近づいてきた。 無視していたのだが、相手は勝手にベラベラと話し始める。 どうやら、出張でここへやってきたのだが、夜飲むところをさがしているようだ。
どうせなら女の子でもナンパして一緒にのみに行こうという魂胆らしい そこで、待ち合わせでぼ〜っと突っ立っている私に白羽の矢がたったのだろう。
「友達と待ち合わせなんで。。」無表情に答えて、そっぽ向くと 「じゃあ一緒に待ってるよ。」そう言って、一向に立ち去る気配はない。
そうしているうちに友達がやってきた。
その男性たちは、また誘う。 友達も事態を飲み込めたようで、無視して二人は歩き始めた。
私たちの入る店について来て、半ば無理やりに 隣のテーブルに座って、かまわず話しかけてくる。
とうとう、私たちは、ねをあげて、まあいいか。と、4人で飲んだ。
話してみると、グラフィックデザインの仕事をしているらしい。 その話をきっかけに、私たちは、その場限りの会話を楽しんだ。
その男性のうちの一人は、仕事の書類をファックスしなければいけないとかなにかで早々に、ホテルに戻って行った。
残りの三人で、駅への道を歩いていると、友達に電話が入った。 どうやら、彼が、別の店で飲んでいた事がわかりこれから彼と合流するようだ。
夜の街を ほんの何時間か前まで見ず知らずであったふたりで歩く。
私の心はまた、あのトラウマが顔をのぞかせていた。
隣にいるのがあきらちゃんだったら、どんなに幸せだろうか。。。 またこんなふうにあきらちゃんと歩けたら。。。。
「もうちょっと飲みたいなあ」と、その人は言った。
私は、人恋しい気持ちに負けた。
さっきまで4人で騒いでいた時と違って、その人は、とても優しかった。
この人に、心を奪われたわけではなかったけれど、 その晩私は、通りすがりのこの人と身体を重ねた。
あきらちゃんを思い浮かべながら。。。。
とにかく人恋しかった。
この日から、別の意味で壊れた日々が始まることになる。
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