2003年09月03日(水) |
第27章 虚無の日々(part 2) |
彼は、まんまと私の言葉の罠につかまり、私をホテルへ誘った。
その彼とも、また身体を重ねてしまった。
朝おきると、すっかり私の心は現実に戻り、彼に抱かれた事を後悔した。
私の心は、この人にもなびくことはなかった。
そして虚無感。
この彼も私に言った。 「りかちゃんのこと好きだよ。好きになったな。」
私は、意地悪に聞いた 「昨日しか会ってないのに私のどこが好きなの?」
その人は答えた 「顔かな。」
この男とは、もう二度と会わないでおこう。 そして二度と会うことはなかった。
人恋しくて、適当な男に抱かれる。 そして虚無感を味わう。 虚無感を埋めようとして、また男に抱かれる。 こんなことを数人と繰り返した。
どの男も最後にやることは同じ。 でも誰も私の心の穴は埋める事ができない。
しっかりしなければ。。。
こんなことを繰り返して、よくないことは十分にわかっていた。
しかし。。。。
これからは、きちんと生きよう。そう決心した矢先だった。
ある日、私は、遅くまで残業をしていた。
社内での信用を取り戻してからは、執念で異常に仕事に没頭するようなことは なくなっていたが、忙しい毎日で、残業する日が多かった。
そして、その日、あきらちゃんは、みかちゃんを誘って早々と帰って行った。
以前は自分がその立場だったのだ、そのくらいお見通しだった。 心の中は、悲しみでいっぱいだったが、何回もそんな場面を経験してきた私。 今や 平常心を装うことは簡単にできるようになっていた。
社内には三宅さんという男性社員と二人きりだった。
三宅さんは、缶コーヒーを私に手渡して、 「まだやるの?」と言った。
「いえ、これコピーしたら終わります。」 「じゃあ、一緒に出ようか」 「は〜い」 私たちは、会社を出た。
駅への道のり。 「あ〜!疲れた〜」仕事を終えた私は、ほっとして言った。 「こんなときに家に帰って、ビールをく〜っと飲むと気持ちいいですよね〜」 「あそこに赤ちょうちんあるよ。いっぱいだけく〜っと行こうか!」 「あ〜それもいいですね〜」
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